芸術・文化の分野で優れた功績をあげた人たちに贈られる「高松宮殿下記念世界文化賞」。
次世代を担う才能の育成を目的とする「第28回 若手芸術家奨励制度」には、イギリスの「ナショナル・ユース・シアター」が選ばれました。
イギリス・ロンドンを拠点とするナショナル・ユース・シアターは、若手俳優の育成のために創立された劇団です。
創立以来、ダニエル・クレイグさん、ヘレン・ミレンさんなど、世界的に活躍する俳優を数多く輩出してきました。
ポール・ローズビーCEO&芸術監督は、「劇団は希望の象徴であり、物語を語る人々の集まりとして、次世代のアーティストたちに力を与える存在です」と語ります。
毎年イギリス各地でオーディションが行われ、5000人以上の若者が参加しています。
ナショナル・ユース・シアターについて、俳優は「全く違う生い立ちの人が共に情熱を持ち、演劇を作っているのが劇団の魅力です」と話し、講師兼振付師は「劇団は少年だった私の視野を広げ、世界を知るきっかけになりました」と話します。
俳優の養成にとどまらず、演劇を通じて社会に変化をもたらすことを目指すナショナル・ユース・シアターは、2026年に創立70周年を迎えます。
これまでもロシアや中国で公演を行ったほか、環境問題をテーマにした作品に取り組むなど、活動の場を広げています。
授賞式は、10月22日に東京都内で行われます。