任期満了に伴い10月19日に投開票が行われる玉野市長選挙。現職、前職、新人の三つ巴の争いとなっています。まちが直面する課題について取材しました。
3年に1度、開かれている現代アートの祭典、瀬戸内国際芸術祭。会場の一つ、玉野市の宇野港は、瀬戸内の島々に渡る岡山側の玄関口としてにぎわいを見せています。
その一方、商店街では、多くの店がシャッターを下ろしています。10年前に約6万2000人だった市の人口は、9月末の時点で約5万3000人と1万人近く減少しています。
古くから造船業が盛んな玉野市。実は、企業の求人を示す指標である有効求人倍率は1.64倍と、岡山県内の8つの地域の中で最も高くなっています。人手不足が深刻な企業に対し、労働力を供給できていない深刻な状況です。
こうした中、瀬戸芸などによって玉野市を訪れる観光客が増加。しかし、市内には宿泊できる場所が少なく、地域経済への波及効果も限定的です。時代の波に乗って地域活性化のチャンスをどうつかむかが大きな課題となっています。
玉野市長選挙に立候補しているのは届け出順に、前の玉野市長で返り咲きを狙う黒田晋さん(62)、現職で再選を目指す柴田義朗さん(64)、新人で元玉野市議会議員の福本崇さん(43)のいずれも無所属の3人です。
(黒田晋候補<無・前>)
「皆さんと一緒に取り戻したいから、普通の玉野に戻したいから今回挑戦したいという話をしている。玉野市は20年前から比べると財政は一定の安定度を見せている。今度は前に進める政治をやらないと少子高齢化の中で縮小傾向が続くと活力を失う」
(柴田義朗候補<無・現>)
「玉野市は造船業を中心とした製造業、ものづくりで発展したまち。多くの企業が人手不足と言われているが、人手不足を解消するために就職の説明会や相談会、地道だが新しいことを始めている。サテライトオフィス、ワーケーションツアーの実施の誘致を進めている。将来的には、もっと大きな誘致を進めたい」
(福本崇候補<無・新>)
「私1人で玉野市を変えたいがなかなか変えられない。次の世代につなげていかないといけない。次の世代がいるので、次は自分だと、福本がつないでくれたバトンを次は私たちがつなげる。そうなるような活動をしたい。みんなが笑顔になれるまちを目指していきたい」
玉野市長選の投票は10月19日に行われ即日、開票されます。