年金支給日の15日、ATMには多くの高齢者が列をなした。しかし取材では、年金受給者から「物価高で生活が苦しい」「年金だけではやっていけない」といった切実な声が相次いだ。
ATMに長蛇の列「年金だけじゃ生活できない」
15日は2カ月に一度の年金支給日。「イット!」取材班が東京・北千住のATMをのぞいてみると…

取材班:
年金を受け取りに来た方々でしょうか。列が外までのびています。
待ち望んだ年金支給日だが、受け取った人たちは「ぜいたく気分」とはほど遠いようだ。

60代(年金月約10万円):
(1カ月)10万ぐらい。家族2人なんですけど、何にもたいしたもの買ってないのに4〜5000円軽くいく。大事に使いたい。
70代(年金月約8万5000円):
(2カ月で)17万円ぐらい。物価高がすごいから、安いお店ばかり探して。
取材班:
生活費で?
70代(年金月約8万5000円):
そう、全部終わってなくなっちゃう。
80代(国民年金のみ月約4万3000円):
(2カ月で)8万6000円。最小限の生活しているんですよ。1日大体1000円以内に収まるように。年金だけじゃとてもじゃないですけど生活できないですよ。
中にはこんな人の姿もあった。
取材班:
あちらの男性、ATMから出てきまして、そのまま宝くじ売り場へ直行しました。

少ない年金支給額に、一獲千金を狙う人もいた。
70代男性(年金月約11万円):
これ当たれば、もうみっけもんだなと思うんだよな。

70代女性(年金月約6万円):
宝くじ今買った!何の夢もないから、5億当たったら分けてあげる。

わらにもすがる厳しい生活の背景にあるのは、やはり物価高だ。

今年度は、多くの受給者の年金が前年度比で1.9%増額と引き上げられたものの、物価上昇に追いついてはおらず、実質的には目減りが続いているのが現状だ。
激安スーパーには多くの高齢者の姿が
激安で知られる東京・足立区の「スーパーさんよう」には安さを求め多くの年金受給者が訪れていた。

取材班:
鶏肉コーナーは15日特売日ということで、朝から2割引きのシールが貼られています。
激安で知られる都内のスーパーには年金支給日の15日、多くの人たちが訪れていた。

来週にも次の首相が決まる見通しの中、年金受給者たちが政治に期待することを聞いた。
年金受給者(70代女性):
まずは物価高(対策)ですよね。国民の生活を守ってほしいです。私腹を肥やすよりもね。
年金受給者(70代女性):
あまり期待はできない。公約掲げてもその公約がボツになったりするし…ただ暮らしやすくなるといいと思います。
年金受給者(70代女性):
給付金は入りません。いっときニンジンぶら下げられてもね。年金は1000円でも2000円でもいいから上げてもらった方がいいです。
(「イット!」10月15日放送より)