兵庫県宝塚市で、親族4人をボーガンで撃ち、殺害した罪などに問われている男の裁判で、検察側は死刑を求刑しました。

野津英滉被告(28)は5年前、宝塚市の自宅で母親(当時47)と祖母(当時75)、弟(当時22)をボーガンで撃って殺害したほか、伯母に重傷を負わせたとして、殺人と殺人未遂の罪に問われています。

これまでの裁判で野津被告は起訴内容を認めていて、弁護側は「心神耗弱の状態だった」と主張していました。

一方、検察側は今回の事件について「人を4人殺す計画を立て、第三者に自らの苦悩を知らせるために犯行に及んだ極めて自己中心的な動機によるもので、無期懲役よりも悪質」と主張。

さらに、公判中に「罪の意識はない」と発言するなど反省の様子も見られず、社会的影響も大きいとして、死刑が妥当だと訴えました。

また、被告の動機については、「自閉スペクトラム症による“精算思考”よりも、幼少期から家族に対して抱いてきた根深い不満が大きく影響している」と指摘。弁護側が主張する心神耗弱には当たらないと強く反論しました。

この日の裁判では、命を取り留めた伯母が証言台に立ち、「『死刑になりたい』と聞いて愕然とした。これからどう生きるのか、悩み続けてほしい」と涙ながらに語りました。

判決は、10月31日に言い渡される予定です

関西テレビ
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