福島市・飯坂温泉の中心部で13日、建物を飛び移りながら歩き回るクマがカメラに捉えられ、約10時間にわたる騒動となった。
一方、宮城・加美町では親子グマが裏庭でクルミを食べる様子が確認され、北海道・遠軽町や秋田市、群馬・みなかみ町でも被害が相次いだ。専門家は、エサを求めたクマとの遭遇で人身事故が起きる可能性が高くなると危惧している。

温泉街を歩き回るクマの姿に住民恐怖

温泉街に現れたのは一頭のクマだ。

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記者リポート: 
たった今クマが出てきました。姿を現したクマが右側の建物へと今、入ろうとしています。

建物から建物へと移動するクマがカメラに捉えられたのは、福島市の飯坂温泉の中心部だ。

13日午後6時過ぎ、「駐車場の奥の方にクマがいるのを従業員が見つけた」との110番通報があった。

隣の施設にいたとみられるクマは、ホテルの立体駐車場へと飛び移った。
その後、壁から滑り落ちそうになるが踏みとどまり、駐車場の隙間からひょいと顔をのぞかせたかと思うと、壁沿いを器用に歩き回り再び隣の建物へと飛び移った。

近隣住民:
最初「人かな」と思って近づいたら音がして、そこの白い手すりを見たら黒い物体。すぐ目の前だったので怖いなって…。

クマはその後、地上に降りると温泉街を歩き回り、約10時間後に近くの川へと逃げていったという。

近隣住民:
怖いですね。1週間前にも近くで出てると聞いたんですけど、ここでまさか出ると思わなかったのでビックリしています。

現場周辺は多くの宿泊施設などが密集する繁華街だが、けが人はいなかった。

冬眠前のこの時期、餌を求めて徘徊する“秋のクマ”が各地に出没している。

宮城・加美町で13日午前3時頃には、静まりかえった闇夜に不気味な音が響く。住宅の裏庭に現れたのは、体長約1.5mのクマだ。

クマは殻ごとガリガリと音を立ててクルミを食べ続け、側には小グマの姿もあった。

住人によると、裏庭のベンチの上にクルミの実を置き、「リスが来るかもしれない」と定点カメラを設置。
しかし、映っていたのは、まさかのクマだった。

さらに北海道・遠軽町で13日午後2時前には、帰省中の女性が母親とのドライブ中に2頭のクマに遭遇した。

女性:
ほらこっち向いてる!こっち向いてる!!

ブナの木の実の大凶作が背景に

秋田市でも、3連休初日の11日正午前、医療センターの入り口目がけて突進するクマの姿があった。

近隣住民:
餌を探してるのかなみたいな様子があったりで。もし平日で自動ドアが開いてたら、怖いことになってただろうな。連休中の出来事だったのが幸いだったのかな。

群馬・みなかみ町で13日は、散歩中の70代夫と60代妻の夫婦が2頭のクマに襲われケガをした。

近隣住民:
ギャー!という声だったかな。手は血で真っ赤になってた。

この秋、各地で人との遭遇が相次ぐクマ。その要因として専門家は、2025年は冬眠前に食べるブナの木の実が大凶作でクマの餌不足が続いているとしている。

岩手大学 農学部・山内貴義准教授:
2年前の(ブナの実が)凶作の時に、親子熊が大量に里にやってきた。人里の近くにいけば美味しいものがあると学習してしまい、今焦ってクマは餌を探しているところ。クマと遭遇して、人身事故が起きる可能性は非常に高くなると危惧している。
(「イット!」10月14日放送より)

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