10月12日、クライマックスシリーズのファーストステージ第2戦、北海道日本ハムファイターズは、エスコンフィールドHOKKAIDOでオリックス・バファローズを相手に劇的な5-4の逆転勝利を収め、2連勝でファイナルステージへ切符を掴み取り、本拠地のファンは歓喜に包まれた。
ファイターズの先発マウンドには北山亘基が上がった。初回、先頭の廣岡を初球ショートゴロに仕留めると、続く太田、紅林から連続三振を奪う圧巻の立ち上がりを見せる。しかし、2回には先頭の杉本裕太郎に左中間スタンドへソロホームランを運ばれ、先制点を許した。
しかしその裏、すぐに反撃に出る。オリックス先発の宮城大弥から山縣秀がレフト前ヒットで出塁すると、田宮裕涼が手堅く送りバントを決め、一死二塁のチャンスを作る。続く水谷瞬が放った打球は、ショートのグラブをはじきセンター前に転がるタイムリーヒットとなり山縣が生還。1-1の同点に追いついた。

3回表、一死から若月にライト線へのツーベースヒットを浴びると、続く廣岡が放った二遊間の打球を山縣が飛び込んでキャッチするも内野安打となり一死一、三塁のピンチを背負う。太田を三振に仕留めた後、紅林弘太郎に投じた初球のカットボールをレフトスタンドへ運ばれ、1-4と再びリードを奪われ、重苦しい空気が漂った。
3点を追うファイターズは、この回もすぐに反撃に出る。一死からレイエスがレフト前ヒットで出塁、郡司裕也が死球で一、二塁とする。ここで、このシリーズでまだヒットが出ていなかった清宮幸太郎がセンターへの2点タイムリースリーベースヒットで3-4と1点差に迫る。
4回裏、オリックスベンチが動いた。先発の宮城に代わり、第3戦の先発が予想されていた九里亜蓮をマウンドに送った。
その九里に対し、この回先頭の水谷が2打席連続となるレフトへのヒットで出塁すると、一死から万波が四球を選ぶ。さらに二死からレイエスも四球を選び満塁のチャンスで郡司を迎えるが、サードゴロに倒れ得点を奪うことが出来なかった。
先発の北山は4回を投げ、63球、被安打4、失点4で降板した。「紅林選手に許した一発が本当に悔やまれます。先発投手としての役割を果たせず、チームに申し訳ないです」とコメントを残した。

ファイターズは継投に入り、二番手・金村尚真がマウンドへ上がる。5回を無失点に抑えますが、6回表にピンチを背負う。先頭の紅林にヒットを許すと、続く杉本の左手に死球を与え無死一、二塁。その後、二死としたところで、玉井大翔がマウンドへ上がり、中川をピッチャーゴロに仕留めこのピンチを切り抜けた。
7回からは4番手の上原健太に繋いだ。7回は三者凡退、8回は先頭の太田の打球をセカンド水野の好プレー、続く紅林のライトへの当たりを万波が好捕するなど守備陣もチームを盛り立てる。上原は2イニングを無安打に抑え、流れを引き寄せる。
そして8回裏、オリックスは三番手の岩嵜翔がマウンドへ。二死から万波がセンターへこの日2本目となるヒットで出塁。途中出場の矢澤宏太がレフト前ヒットでつなぎ、一、二塁とチャンスを広げる。打席には頼れる主砲レイエス。エスコンフィールドのスタンドは大声援に包まれた。レイエスはフルカウントからライト線へ、ついに逆転となる2点タイムリーを放った。一塁走者の矢澤も一気にホームに生還し、5-4と逆転に成功。エスコンフィールドが歓喜に沸いた。

最終回のマウンドには前日に続いて齋藤友貴哉が立った。「俺に繋いでくれ」という気持ちで準備をしていた齋藤は159キロのツーシームなど圧巻の投球を披露。西野、来田を連続三振。最後は森をセカンドゴロに仕留め試合終了。ファイターズは2連勝でファイナルステージ進出を決めた。
試合後、齋藤は「プレッシャーを感じるのはプロ野球選手として本当に幸せなこと」と語り、「(ファイナルステージ)4勝という忘れ物を取って、オールファイターズでエスコンに戻ってきたいと思います」と力強く決意を話した。
新庄剛志監督は「フラついてます」と第一声。しかしすぐに「こういう試合を今日来てくれたファンのみんなと全国のファイターズファンに見せられたというのが一番嬉しいですね」と安堵の表情を浮かべた。逆転の場面については、「矢澤君じゃなかったらゾッとします。ファーストランナーが。同点止まりだった」と振り返り、レイエスについては「さすが打点王、ホームラン王、頼りになりますね」と称賛。ファイナルステージに向けては、「去年の悔しさを胸にどうやって戦って、こっちに戻ってくるか。選手たちが一番強い気持ちを持ってるので、信頼して臨みたいと思います」と熱い意気込みを語った。
クライマックスシリーズのファイナルステージは10月15日に福岡で開幕する。
