非常に強い勢力で伊豆諸島を直撃した台風22号。
台風が過ぎ去った東京・八丈島には被害の爪痕が残されていました。
9日早朝から記録的な大雨と暴風に見舞われた八丈島。
視界が真っ白になるほど、横殴りの雨が激しく打ち付けていました。
八丈島では9日朝にかけ、1時間に120mm以上の猛烈な雨が降ったとみられます。
島内では、停電が6480軒に上っているということです。
番組スタッフが宿泊していた「八丈ビューホテル」も、午前5時前の時点では非常灯しかつかず、エレベーターのボタンを押しても明かりがつかない状態になっていました。
暗くなったホテルの食堂で職員が懐中電灯で照らしていたのは、大量の雨漏りが発生している天井でした。
職員がバケツなどを置いて対応に当たりますが、雨水はあっという間に床に広がっていました。
ホテルの職員は「ここまでひどいのは初めて。他の箇所もだいぶ雨漏りが始まって。(Q.ここだけではない?)何カ所かまだ他にも」と話しました。
別のホテルでは、強風によってレストランの窓ガラスが割れる事態になり、水たまりもあちらこちらでできていました。
最大瞬間風速54.7メートルの猛烈な風を観測した八丈島。
気象庁は9日午後、八丈町に出ていた大雨特別警報を大雨警報に切り替えました。
台風が過ぎ去ったあとの街に出てみると、ラーメン店の屋根は強風にあおられ吹き飛び、壁は壊れ、骨組みがむき出しとなっていました。
また、中を見てみると物が散乱しているのが分かります。
被害に遭ったラーメン店の店主は「屋根が持っていかれるとは思わなかった。びっくりしました。言葉が出ない…。ある程度は覚悟していたが、途方に暮れるとはこういうこと」と、変わり果てた姿に言葉を失っていました。
猛烈な風で吹き飛ばされ横転した車。
駐車場に止まっていた軽自動車が風にあおられ、道路に投げ出された形に。
車の持ち主:
竜巻みたいなのが通ったので、車ごとボーンって。ここにあったのが倒れていた。もう乗れないからこのまま廃車。
また、資材置き場の壁が飛ばされた会社の社長は、「(雨で)床材に使うコンパネが水浸しになった。木材がぐちゃぐちゃの状況」と語りました。
さらに相次いだのは倒木による被害です。
倒れた大きな木が完全に道路をふさぎ、すぐそばにも折れた木が転がっていました。
倒木は島の道路の至る所にありました。
島民は「大変だよ。車が止まる。80年住んでいるが見たことない」と話しました。
さらに風の影響か、歩道に立てられた街灯がぐにゃりと曲がっていました。
一方、伊豆諸島の青ヶ島では住宅の車庫の屋根が吹き飛ばされる被害が出ました。
被害に遭った住民:
小さい石がすごくたくさん飛んできて、それが機関銃のように車に当たってバタバタって。ガラスが2枚ぐらい割れておっかなかった。
記録的な大雨と暴風に見舞われた台風22号。
日本の南の海上には新たに台風23号が発生していて、10日から11日にかけて沖縄に接近。
その後、本州方面へ進み、3連休は広い範囲に影響する恐れが出ています。
そして、東京・八丈島のホテルが被害が大きく営業停止となっています。
「八丈島パークホテル」によりますと、2階にある食堂と大浴場の屋根が吹き飛び、はがれてなくなっているということです。
また、はがれた屋根の残骸が敷地内に散らばっているということです。
ホテルの関係者によりますと「今回の被害は55年間営業してきて初めてだ。明日から予約している客には泊まれる状況ではないことを伝えたいが、Wi-Fiも電気も止まっていて、伝える手段がなくて困っている」ということです。