「胃を切除した人に多い症状ですが、胃の切除を受けていないのにこの症状が表れる場合は『糖尿病予備群』の可能性があります。糖尿病予備群の人は、食後に血糖値が急激に上がって、急激に下がる傾向にあり、進行すると糖尿病になってしまいます」

糖尿病予備群の人は食後に血糖値が急激に上がって下がる傾向にある(イメージ)
糖尿病予備群の人は食後に血糖値が急激に上がって下がる傾向にある(イメージ)

この食後低血糖は、食後に血糖値が急上昇して急降下するいわゆる“血糖値スパイク”とともに、健康診断の空腹時のみの血糖値を測定する方法では把握することができない。

「もし、症状が繰り返し現れる場合は、糖尿病予備群や他の疾患が隠れている可能性もあるため、糖尿病専門医がいる医療機関で相談してください」

また、極端な糖質制限についても注意したい。

「主食を減らすなどして糖質を減らせば、当然血糖値は下がります。体重も一時的には落ちるでしょう。しかし、主食を減らしすぎるとインスリン分泌が低下し、さらに主食の代わりにタンパク質や脂質を取りすぎることで、逆に血糖値が上がりやすい体になってしまう。つまり糖尿病に近づいてしまいます」

CGMで自己判断しないで

最近では、糖尿病でなくても健康管理の目的で、自分の血糖値の傾向を知るために市販の「持続血糖測定器(CGM)」を利用する人が増えている。

CGMは、皮下に挿入したフィラメントから、センサーで間質液(細胞周囲の液体)のブドウ糖を連続して測定する医療機器。自分の血糖値の推移をスマホでリアルタイムで見ることができるというものだ。従来の指先を針で刺し採血して血糖値を測定するタイプより気軽に使え、かつ連続した血糖値を見られるということもあって注目されている。

血糖値をスマホでモニタリングできる「CGM」(イメージ)
血糖値をスマホでモニタリングできる「CGM」(イメージ)

しかし、大坂さんはCGMの使い方に注意を促す。

「CGMの数値をそのまま鵜呑みにして、自分が低血糖だ、高血糖だ、といった自己判断をして自己流で対処するのは危険です」

それには次のような理由がある。