長野県須坂市の高校生が農家や商店などと連携し、地域の農産物を使った新しい菓子を開発しました。来週末に行われる学校行事で販売するということです。
3層に仕立てたムースケーキに、ヨーグルトクリームをふわふわの生地で挟んだカステラ。どちらも、須坂市特産の果物「ワッサー」が使われています。
これらは、須坂創成高校の生徒が地域の農家や商店などと共同開発した菓子です。10月7日、学校で商品発表会が行われました。
生徒:
「おいしい商品を作って地域のみんなに笑顔で元気になってほしい。その力で地域を応援したいと考えました」
高校では毎年、学習の一環で、農家と商店などの間を結び、商品開発を行っています。協力先を探すことはもちろん、素材の仕入れ、数量管理、利益計算から広報まで、流通に関わる全てを生徒たちが担当します。
商品開発・創成オリジナル販売課長 金子弓さん:
「販売数量とか販売価格で利益が変わるので、そういうものを考えて利益を上手に出すのが苦労しました」
18人の生徒が5軒の農家と7軒の商店などを結びつけ8品の菓子を開発しました。
生徒:
「須坂市生まれの純粋な果物として、ワッサーに今回、着目しました」
桃とネクタリンの自然交配で生まれた須坂市生まれの「ワッサー」を使ったのが
生徒:
「一万石という商品は、将棋の藤井聡太さんが将棋の名人戦で選んだスイーツで有名」
須坂市の「コモリ餅店」の銘菓「一万石」です。13代須坂藩主の堀直虎公にちなんだ地元のアンズジャムとバタークリームを挟んだブッセで、2023年に隣の高山村で行われた将棋の名人戦で、藤井聡太七冠がおやつに食べたことで一躍脚光を浴びました。
生徒たちのアイデアで中のクリームにワッサーを加えました。
「一万石」をPRする生徒:
「ワッサーの味があまり出ていないというのが最初にあって、ペーストをもっと強く出してワッサーをもっと楽しめるような味をつくるようにしました」
続いては、長野市の「お菓子日和」と協力して開発したアイス大福。リンゴの果肉が入った生クリームと煮詰めたリンゴを包み、食感も楽しめるよう工夫しました。材料のリンゴにもこだわりがあります。
「福りん」をPRする生徒:
「台風19号の影響でリンゴがダメになってしまったことがあったので、被災した農家の方々のことを考えて」
2019年に台風19号で大きな被害を受けた長野市長沼地区のリンゴです。学校では、2020年から毎年、商品開発の際に長沼のリンゴを使ってます。
8品の菓子は、来週末に行われる学校行事の「創成フェア」で販売し、その後、各商店などでも販売する計画です。
商品開発・創成オリジナル販売課長 金子弓さん:
「協力して須坂市の魅力を伝えるということが一番のコンセプトになっています。思いを感じながら買ってもらいたい商店の思いなどを感じながら手に取ってくれると嬉しい」