世界遺産「白川郷」で知られる岐阜県白川村で10月5日、外国人観光客がクマに襲われました。白川村ではクマの目撃が例年の3倍近くに増えていて、紅葉シーズンを前に警戒が強まっています。

■周辺の学校では車の送迎も…観光客から不安の声
世界遺産「白川郷」で5日、スペイン人の男性が風景写真を撮っていたところ、突然後ろからクマに襲われ、右腕に軽いケガをしました。

(リポート)
「重要文化財にも指定される和田家のすぐ近くで、男性がクマに襲われました。クマは草木が生い茂る辺りから出てきたとみられています」
現場は、多くの観光客が利用する「展望台行き」のシャトルバス乗り場や国の重要文化財の「和田家」の近くとあって、不安の声も上がっています。

フランスからの観光客:
「危険だと思う。私も友人も気をつけたい」
東京からの観光客:
「富山・金沢の方から昨日来たんですけど、クマが出たというのでちょっとびっくりしました。熊鈴を、歩いていれば鳴るので」
急遽、5日午後から運休となっていたシャトルバスは、6日も運休に。展望台へと続く遊歩道などでは、クマが捕獲されなければ10月10日まで通行止めとなります。
さらに、周辺の学校では車での送り迎えが呼びかけられました。
小学生:
「熊鈴です。1年生の時からずっとつけています。今日は車で帰ります。安心します」
保護者:
「うちの子が通る道でクマが出ていて、朝も怖かった」
■白川村での目撃情報は例年の3倍近くに…紅葉シーズン迎え警戒呼びかけ
クマ出没について村役場は…。
白川村役場産業課の担当者:
「毎年この時季は、人里にクリ、クルミ、カキの実などがなりますので、食べ物を求めてきたんじゃないかと推測されます」
白川村では2025年4月以降、クマの目撃情報が例年の3倍近いおよそ90件に。白川郷だけでも16件に上っています。

今回、襲ったクマは体長1メートルぐらいのツキノワグマの子グマとみられ、村は現場近くに罠を設置して、猟友会とともにパトロールにあたっています。

今後、紅葉シーズンで観光客が増える白川郷。村は、クマに遭遇したら「慌てず刺激を与えず静かに立ち去るように」と呼び掛けています。