広島城は別名で「鯉の城」と書いて「鯉城」とも呼ばれています。
広島城の堀を泳ぐニシキゴイを増やし、憩いの場所にしようとする企業を取材しました。

6日朝、広島市西区にあるコイの養殖場から運ばれた大きな水槽。

【辰已キャスター】
「模様も大きさも様々色とりどりのコイが放流されるのは、広島城のお堀です」

大きなコイで体長90センチ、重さは15キロもあり、およそ8年かけて丹念に育てられました。

【辰已キャスター】
「すごい!持てた!大きい!意外と表面がつるっとしている」

放流されたのはニシキゴイ145匹。
諸説ありますが、昔、この辺りの地名が「己斐浦」だったことから広島城は「鯉の城」、「鯉城(りじょう)」と呼ばれるようになったとも言われています。
コイは英語でカープ。
鯉城は「広島東洋カープ」のチーム名の由来とされています。

【小西養鯉場・小西丈治社長】
「この鯉は赤ヘルを被ったような鯉ということから赤ヘル鯉という名前を付けた。今年カープが残念だったので、来年頑張ってもらうためによろしくお願いします」

7年前、広島城の堀を泳ぐ鯉の姿はほとんどありませんでした。

【小西養鯉場・小西丈治社長】
「鯉城という名前なのに堀に鯉がいない寂しすぎる」

そこで、小西さんは育てた鯉を無償で提供し始めました。
今では1000匹以上の鯉が生息しています。

【小西養鯉場・小西丈治社長】
「広島城は広島市の原点。鯉城と呼ばれている堀に鯉が泳ぐのは僕としては夢であった。鯉は争いごとをしない。けんかをしない。平和を大事にしている町にぴったりの魚である。広島のシンボルとしてニシキゴイを皆さんに愛していただきたい」

きょうも広島城を訪れる多くの観光客が、ニシキゴイの美しさに目を奪われています。
小西さんの思いはしっかり届いているようです。

《スタジオ》
放流だけではなくその後の餌やり、水の管理も行っているということで非常に思いも強いんですが、山内さん「赤ヘル鯉」と呼ばれるコイがいるのはいかがですか?

【コメンテーター:元カープ・山内泰幸さん】
「これは私は知らなかったですね。小西さんが放流されてることはわかったんですが、もっとカープファンにも赤ヘル鯉のことは知ってもらいたいです」

特に広島の人にとって「鯉」は馴染み深い魚ですが、近年は、観賞用として海外で人気が高まっているそうです。
実際に小西養鯉場の取引も海外が9割、国内が1割です。
なぜ海外でここまで人気なのか、放流の場に同席していたドイツのバイヤーに伺うと、「ヨーロッパにも野生の鯉はいるが、日本のニシキゴイはサイズ感も模様の美しさもよい。また、広い庭を持つ家庭が多く、飼いやすい環境だから」と話していました。

新川さん、日本のニシキゴイが海外で受け入れられてるのはいかがですか?

【コメンテーター:JICA中国・新川美佐絵さん】
「食文化やアニメなど日本文化がどんどん広まって愛されるのは嬉しいです。残念ながら日本人は愛したくても住宅事情とか少子高齢化とか人口減とかでなかなか維持するのが難しいので、海外で日本伝統を維持していただけるのであれば、すごく嬉しいことです」

テレビ新広島
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