モロッコでZ世代の若者によるデモが起きていて、建物や車が炎上するなど一部が暴徒化している。背景には、政府が2030年のサッカー・ワールドカップに巨額を投じる一方で、病院や学校など公共サービスが劣悪なまま放置されていることへの不満があるという。

W杯準備に巨額投資で批判殺到

通りを埋め尽くす多くの若者たち。建物に火が放たれ、道路では車が炎に包まれていた。モロッコで撮影されたのは、「Z世代」と呼ばれる若者たちによるデモの様子だ。

デモが始まったのは9月27日で、今も各地に拡大しているが、一部のデモ隊が暴徒化している。

鉄格子を破壊するデモ隊
鉄格子を破壊するデモ隊
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モロッコの治安当局が公開した映像には、暴徒化した一部のデモ隊が、治安部隊が拠点としている建物の鉄格子を破壊する様子や、施設に火を放つ様子が記録されていた。

デモのきっかけは、まさかのサッカー・ワールドカップだった。

デモに参加している若者らは、政府が2030年に共催予定のサッカー・ワールドカップのスタジアムの建設などに数十億ドルをつぎ込んでいるため、病院や学校などの公共サービスが劣悪な状況に置かれたままだと訴えている。