10月に入り、暑さが落ち着いて朝晩が冷えるようになり、せきなどの風邪症状に悩む人も多くなりがちなこの季節。しかし、その風邪症状の原因が花粉症の可能性があるという。春だけではない、秋の花粉症の注意点を医師に聞いた。
せき・鼻水・のどの痛み…その風邪症状“秋の花粉症”かも？
秋分の日を過ぎ、涼しくなり始めた季節。
街を歩く人からは、「朝とか夜は冷えたりするので大変」「寒そうだなと思って長袖にした」などと、寒暖差が大きくなるこの時期特有の悩みが聞かれた。
「母親がずっとせきをしていて止まらない」など、悩みについて話す人がいるように、特に気をつけたいのが体調管理だ。
ただ、せきなどの症状に悩まされている人も、その原因は風邪以外の可能性があるという。
新潟県長岡市にある幸町耳鼻咽喉科の佐藤浩史院長は「風邪症状というと、皆さんが思い浮かべるのが、鼻水・鼻づまり、のどの痛み、せきといったものだが、それを引き起こす原因として、この時期に考えたほうがいいのが秋の花粉症」だという。
ブタクサ・ヨモギ…粒子小さく“せき”引き起こしやすい雑草系花粉
花粉症といえば、スギ花粉など、春に症状が出るイメージが強いが、この時期はブタクサやヨモギといった雑草系の花粉が飛散。
この日、風邪症状でクリニックを訪れていた患者の中にも、秋の花粉症が疑わしい患者がいた。
雑草系の花粉は背丈が低いため、スギなどの樹木の花粉に比べ、飛ぶ距離は短いものの、粒子が小さく、せきを引き起こしやすいという。
佐藤院長は「気管・気管支といったレベルのところまで入り込んでくる。せきやぜんそくのような呼吸の苦しさが出やすくなる。さらに、春の花粉は飛散情報があるため『この日は注意しよう』とか『この日は大丈夫』だとかの目安ができると思うが、秋の花粉はそういったものが少ないので、自分で注意するしかない」と注意を呼びかける。
「思っているよりも身近に」花粉症引き起こす雑草は生活圏内に生育
さらに、秋の花粉症を引き起こす雑草はブタクサやヨモギに限らない。
試しに、クリニックの近くに生えていた草をスマートフォンのアプリで調べてみると、セイタカアワダチソウと判断され、これも花粉症の原因の一つだと佐藤院長は話す。
「秋の花粉症を引き起こす雑草は自宅の庭や河川敷、通勤通学で通る道ばたといった生活圏内に生育していて、思っているよりも身近に存在する。知らないと、どこかで体に取り込んでしまう」
春の花粉症と同様の対策を！症状で困ったら医療機関へ
秋の花粉症の原因物質の飛散は10月上旬までがピーク。
春の花粉症と同様、マスクや専用の眼鏡などを着用し、花粉を体に取り込まないこと、帰宅する際には服についた花粉を払うことなどができる対策だという。
佐藤院長は「対策をしながら、症状で困ったら、まずは秋の花粉症なのかどうかの診断を含めて医療機関を受診し、必要な投薬を検討するといい」と注意点を話す。
一方、熱がある場合は風邪の可能性が高いため、症状が重い場合などは早めの医療機関の受診が重要だ。
（NST新潟総合テレビ）
