6年前には日本でワールドカップも行われ、盛り上がりを見せたラグビーですが、近年、競技人口が大幅に減っています。そんな中、ラグビーを始めるきっかけを持ってもらおうと、子ども向けの体験教室が開かれました。
高知市で開かれた体験教室には小学1年から6年まで35人が参加しました。ボールを後ろにいる味方に渡す独特のルールを学んだり、足で転がしながら運ぶ練習などまずは楕円形のボールに慣れることから始めました。
さらに腰に付いた「タグ」を取るミニゲームやクッションを持った相手にぶつかっていく練習などより実戦的な体験も行われました。中にはラグビーは怖いという印象をもっていた子もいましたが…
初めてラグビーをした小学4年生:
「怖いとかなくて楽しい。みんなうれしそうにやってる」
小学3年生:
「仲良くない人とも仲良くなれるかもしれないから絶対にラグビーをやった方がいいと思う」
子どもたち:
「ラグビーは楽しいよ!」
しかし、競技人口は減少しています。ラグビーの現状、そして魅力に迫るべく高校のラグビー部を取材しました。
高知中央高校ラグビー部です。全国高校ラグビー選手権大会、いわゆる「花園」に6年連続10回の出場を誇る強豪校です。16年に渡り指導している西川誠山部長は早稲田大学のラグビー部出身。高校日本代表コーチも務めたバリバリのラガーマンです。高校ラグビーの現状について聞きました。
高知中央高校ラグビー部・西川部長:
「高校(ラグビーの)現場では15年、20年前に比べるとチーム数も約半分に減ってしまって一番苦しい時で2チームしか大会に参加できないような時期もありました。年々減っていってるのはすごく感じます」
ラグビー、サッカー、バドミントン、3種目の高校生男子の競技人口をグラフにまとめました。ラグビー部員は2005年度には全国で2万9773人いましたが、2025年度は1万7157人と、20年で1万2616人・40%以上の減少です。冒頭で紹介したラグビー教室ではあんなに子どもたちは楽しそうだったのに一体なぜなのか。
西川部長:
「『ラグビーやりたい!』と言ってくれる子どももたくさんいるのですが、いざ子どもたちが親に『ラグビーしたい!』と言って親の反対でそれがストップすることはあるのかな。ケガしたら怖いし、汚れるのも大変というのはあるのかな」
確かに親の気持ちも分かるんですが、それを上回る魅力があるんです。
西川部長:
「一番は仲間だと思います。前に進まないといけないのに後ろにしかパスができないという矛盾もかかえながらみんなで助け合いながら前に運んでいって得点をするっていうスポーツなので非常に仲間とのつながりは強くなります。一生もんの仲間・友達ができる」
現役の部員は…
ラグビー部3年:
「僕も身長が小さいんですけど、身長が小さくても体が大きい人や体重が重い人を倒せる競技なのでそこが一番の魅力」
ラグビーは15のポジションそれぞれに役割があり、体が小さい人、ガッチリした人、背の高い人、いろいろな体格の人が輝けるスポーツ。ということで、鍛治屋アナウンサーも体験させてもらいました。10年ぶりのタックル、一から指導してもらいました。
タックルはボールを持った相手選手が前に進むのを体を張って止める技。ボールを持った相手の2本の足の間に自分の片足を入れ、相手の足を持ち上げながら体を押し込みます。
西川部長:
「例えば、体が小さい子でも大きい子にいかないといけない時がある」
Qどうやったら勇気をもっていける?
ラグビー部3年:「気合です」
西川部長:
「相手の体勢でやられると絶対相手の方が強いので相手が当たる体勢になる前に先に入っちゃう。ガチンコでぶつかり合ったら絶対重い方が勝つので、相手がガチンコになる前に先に入れればちょっとでも有利になる」
いざ、実践!と意気込む鍛治屋アナの視線の先にいたのは…
サムエラくん:
「高知中央高校から来ましたヒキラ・サムエラです。よろしくお願いします」
トンガからの留学生・サムエラくんは身長178センチ、体重125キロ、高校日本代表候補の超高校級ラガーマン。
鍛治屋アナ:
「迫力が違いますね。現役時代は自分より体が大きい人にはタックルできなくて、小さい人ばっかり狙ってたんですけど、中途半端さ、勇気のないところをきょう克服したいと思います」
恐怖はありましたがいざ挑戦!
鍛治屋アナ:
「圧がすごい、当たる瞬間に止まったので自分が当たる前に相手のひざがボンってきたのですごい衝撃を感じました」
すごい衝撃でしたが、このままでは終われません!
鍛冶屋アナ:「ちゃんと当たったら、逃げるより痛くないですね。中途半端にいくのが一番よくない」
技も大事ですが、「気合」はやっぱりもっと大事でした。最後にみんなのラグビーへの思い、教えてください!
中央高校ラグビー部3年:
「絶対最初は怖いと思うんですけど、やってたら仲間とも出会えて楽しくなっていくので頑張ってほしいです」
中央高校ラグビー部:
「今ラグビーができる環境があるっていうのが僕は楽しくてうれしいです。もっとラグビー人口が増えていったらうれしい」
西川部長:
「ラグビーはどんな子でもどこか輝ける場所が必ずあるスポーツ。もしかしたら最初はぶつかるのが怖いとかあるかもしれないが一歩踏み出す勇気さえあれば必ず得るものがあるのでぜひ体験に来てほしい」
部員たちのコール:
「ラグビーこじゃんと楽しいよ!」
中央高校の西川部長、部活動とは別に、幼児、小学生、中学生向けのラグビー教室を開いています。詳しくは高知ラグビースクールのホームページをご覧ください。