9月11日の記録的な大雨で冠水した東京・品川区の戸越銀座。
短時間で道路上にたまった大量の雨水が、下水道に流れ込み切らず冠水したとみられることが分かりました。
考えられる原因の1つとして専門家は、下水道への雨水の取り込み口の小ささを指摘しています。
都市浸水のメカニズム解明と予測が専門の早稲田大学・関根正人教授が東京23区の下水道内の状態を解析した画像では、当時、広い範囲で雨水が下水道に流れ込み排水能力を超えた状態を示す赤色が表示されていました。
そのため、都内各地で道路が冠水するなどしていました。
一方、戸越銀座の下水道は赤色で示された範囲が少なく排水能力に余力があることが分かります。
戸越銀座では雨水が下水道に流れ込み切らず、地上の一帯が冠水したとみられます。
関根教授は考えられる原因の1つとして雨水の取り込み口に問題があったと指摘します。
早稲田大学理工学術院・関根正人教授:
幅1㎝、長さ5㎝ほど。そういう穴が二つ開いているだけ。それほど効率よく水を集められるものではない。
26日、戸越銀座商店街を取材すると下水管のふたを閉めている場所もありました。
大雨や大雪が降った際はこのふたを開けて排水するといいます。
戸越銀座商店街連合会・亀井哲郎さん:
前回の大雨の時にも開けてますけど短時間に降ったので間に合わない。
戸越銀座商店街のある場所はかつて川が流れていたといいます。
くぼ地のため雨水がたまりやすい地形です。
そのため、特に雨水がたまりやすい場所には排水量の多い網目のふたを使用しているといいます。
戸越銀座商店街連合会・亀井哲郎さん:
こういうふたにすることによって(下水道への)取水量がかなり増えるが、全部が全部これになると(下水の)臭いも夏場だと上がってきますし、この上にゴミがたまると結局水が流れず維持管理も結構大変なんです。今後はこういったものを増やしていく必要があるかもしれないです。
戸越銀座商店街では、これまで1時間に75mmの雨に対応できるように下水道管の整備を進めてきたといいます。
そうした中で11日、1時間に120mmという想定外の豪雨に見舞われました。
戸越銀座商店街連合会・亀井哲郎さん:
今後同じような豪雨になった時には個々のお店の自分たちの対応が迫られる。土のうを整備したり、止水板を整備したりしていかないと。排水だけに頼っているとなかなか難しいかもしれない。