8月に行われたインターハイで3位入賞の成績を収めた開志学園高校3年の天井澤祐志選手。ボクシングにかける思いと天井澤選手の強さの秘密に迫った。
全国3位!開志学園高校ボクシング部 天井澤祐志選手
新潟市中央区の開志学園高校。練習場に姿を現したのが、ボクシング部3年の天井澤祐志だ。

もともと兄が開志学園のボクシング部だったことから、その背中を追って自身もボクシングを始めたという天井澤。
部活中は、自身の技術向上はもちろん、キャプテンとして部を引っ張る役割も担う。
そんな天井澤は8月、岡山県で開かれた全国高校総合体育大会のボクシング男子ライト級で3位入賞。最後のインターハイで初の全国4強入りを果たした。

「とりあえず最後のインターハイなので、ボクシングを楽しもうと思った。勝ち負けよりも自分のやるべきことを全力でやって、それで負けたら仕方ないという感じで楽しんでボクシングをした」と笑顔で大会を振り返る天井澤。
「意見交換しながら…」強さの秘訣は“練習への向き合い方”
そんな天井澤が武器とするのが強烈な“右ストレート”。

6月中旬に右拳をケガし、一時、右手が使えない期間があったが、その間に左手を意識して練習する事により左手が強くなり、それが右手にもつながる部分があったという。
こうした技の精度を上げるためには、練習への向き合い方が重要になると話す。
「やらされる練習よりも自分から練習をやりにいく。自分が思ったことをきちんと監督たちと意見を交換しながら、ちゃんと考えをすり合わせて正解に持っていくというところが自分の中での強み」
こうした姿勢にボクシング部の小林将也助監督も「本当に真摯に練習に向き合っているし、貪欲に技術を吸収しようとするところがやはり彼の強み」と評価する。
意外な一面?試合のない期間は“お菓子づくり”に熱中
常にストイックな姿勢を見せる天井澤だが、取材を通して語ってくれたある意外な一面も。

「自分でお菓子をつくったりするのがすごく好き。試合のない期間は自分でクッキーを焼いたり、ドーナツを作ったり、お菓子作りが楽しい。試合前に減量をするので、減量のない期間においしいものをいっぱい食べたい。自分でおいしいものを作って、幸せな気分になってから、よし減量頑張ろうという気持ちにしている」
オンオフの切り替えも、よりよい練習のために大切にしていた。
「みんなで一緒に強くなって良い雰囲気に」
練習の最後に、力を振り絞りサンドバック打ちをするチームメイトたち。天井澤も必死に拳を打ち込み続ける。

打ち終わった直後はさすがの天井澤もつらそうな表情を見せるが、すぐに立ち上がり、チームメイトに駆け寄る姿も見られた。
そのワケについて、天井澤は「自分一人だけが強くなっても、チームの雰囲気は上がらない。みんなで盛り上げて一緒に強くなって、良い雰囲気をつくって試合に臨み、全員で優勝しようという気持ちで、みんなを鼓舞するように声がけしている」と力強く語った。

その熱い思いは部員にも届いていた。
チームメイトは「盛り上がりが足りない時などにまとめる力がすごい」「みんなを引っ張る力やキャプテンとして成績も収めていてすごく尊敬できる」と天井澤に絶大な信頼を寄せていた。
大学でさらに上のステージへ
「周りとの連携や協力があってこそ、リングに立つことができている」と語る天井澤。仲間の思いも背負いながら大学でも競技を続ける。

「大学1年時からリーグ戦に出場して階級賞、チームでの日本一を目指し、冬に行われる全日本選手権での優勝を目標にがんばります」
さらなる高みを目指して…感謝と自信を拳に込め、全国の頂点を狙う。