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プレスリリース配信元:アルサーガパートナーズ株式会社

~一方で、6割以上がAI活用による教員と生徒の関係性に「変化なし」と回答~

 企業のDXを促進するアルサーガパートナーズ株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役会長兼CTO:小俣泰明、代表取締役CEO:渡邉純平、以下「アルサーガパートナーズ」)は、全国の教職員283名を対象に、教育現場における生成AIの活用実態に関する調査を実施しました。

本調査では、生成AIへの意識や具体的な活用方法、業務効率や学習効果、教師と生徒の関係性への影響など幅広く分析。結果からは「便利なはずのAIが、実は現場の負担を大きく減らせていない」という実態が浮かび上がりました。



■調査結果サマリ




■調査概要

調査機関:自社調査
調査方法:インターネットによるアンケート調査
調査期間:2025年7月22日~7月29日
調査対象:全国の教育業界で働く教職員
有効回答:283名
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。
※複数回答の設問については各項目の合計が100%を超えるため、数値は回答者全体に対する回答率(pt)で示します。

1:教育現場における生成AIの活用状況⚫︎活用していないが5割以上、でも6割が前向き。教育現場で広がる生成AIへの期待

⚫︎活用していないが5割以上、でも6割が前向き。教育現場で広がる生成AIへの期待




まず、生成AIを実際に業務で活用しているかを聞いたところ、

・活用している:37.2%
・活用していない:54.2%
・わからない/答えたくない:8.6%

という結果でした。つまり、現時点では半数以上の教育現場で生成AIはまだ導入・活用されていない状況です。



一方で、生成AIの活用そのものに対する姿勢をたずねると、

・とても前向き:17.0%
・やや前向き:44.9%
・どちらともいえない:25.4%
・やや不安:9.2%
・非常に不安:3.5%

のように、前向きと回答した教職員は全体の61.9%に達しており、実際の活用率と意識の間にギャップがあることが浮き彫りになりました。

この結果は、現場ではまだAI活用のハードルや課題が残る一方で、「いずれは活用したい」「可能性を感じている」といった期待が着実に高まりつつあることを示しています。

⚫︎業務負担軽減は3割未満。便利なはずが負担増の現場も




しかし、実際に生成AIを導入して業務負担が軽減されたかを聞いてみると、

・はい:28.6%
・いいえ:53.0%
・わからない:18.4%

軽減を実感していない人が多数派ということがわかりました。
職種別(幼稚園~高等学校、特別支援学校)でみると、中学校教員のみ例外的に約4割が負担軽減を実感していますが、それ以外は依然として半数以上が負担軽減を実感できていない状況です。



その背景には、

「AIの出力が現場に適しているか、確認する手間が増えた」
「生徒のアイデアがAIによるものかどうか、判断が難しい」

など、現場では「AIを使うことで新たな確認・管理業務が発生している」という逆説的な状況が見られます。

便利さの裏には、教育現場ならではの児童・生徒への影響を踏まえた慎重な内容確認や倫理的配慮が存在しており、AIは「作業時短ツール」というよりも「新たな管理対象」になっている側面もあるでしょう。一方、中学校では、比較的効果を実感している教員もおり、学年や授業形式によってAIとの相性が異なる可能性が示唆されました。

⚫︎負担軽減効果がある業務はルーチン作業中心




それでも、AIの恩恵を感じている現場もあります。業務負担が軽減されたと答えた層からは、

・教材作成の時間が短縮された:40.7pt
・宿題や試験の採点が自動化された:34.6pt
・授業準備が効率化された:30.9pt

といった成果が挙げられました。ルーチン業務を中心に、確実な作業負担の削減が進んでいる様子が見られます。

2:生成AIが教師と生徒の関係性にもたらす影響

⚫︎教師と生徒の関係性に「変化なし」が多数派




生成AIの活用が教師と生徒の関係性に変化があったかについては、

・変わらない:64.0%
・わからない:20.1%
・変わった:15.9%

と「変わらない」と回答した人が64.0%と多数を占めており、現時点では大きな変化を感じていない教職員が多いことがわかりました。

一見すると「大きな影響がない」というネガティブな結果にも見えますが、裏を返せば、AIを導入してもこれまで通りの関係性を保てているということ。つまり、教師の役割や存在意義は損なわれず、安心してAIを活用できる基盤が現場にあるとも言えます。AIはあくまでサポート役であり、教師と生徒の信頼関係や学びの場の本質は変わらないという、現場にとって心強い結果となりました。

⚫︎AIで変わる教師と生徒の関わり方。新たな可能性と課題




教師と生徒の関係性は「変わった」と答えた教職員からは、ポジティブな変化として、

・生徒の質問の質が向上した:40.0pt
・教師が個別・応用指導に集中できるようになった:33.3pt

といった声が挙がっています。これにより、授業中のやりとりがより深く、創造的になる兆しが見えます。

一方で、ネガティブな回答には、「コミュニケーション量の減少」(31.1pt)という懸念も存在します。AIが間に入ることで、教師と生徒の“雑談”や“偶発的な会話”が減り、学びの質に長期的な影響が出る可能性が示唆されます。

この結果から、生成AIの活用が進む中でコミュニケーション量の減少という懸念も一部で見られるものの、教師と生徒の距離感や信頼関係は大きく損なわれていないことがわかりました。むしろ、一部の現場ではAIが情報整理や補助的対応を担うことで、教師がより深い対話や応用指導に時間を割けるようになり、関係性を強化する動きも見られます。AI導入は「人間同士のつながりを守りながら学びを進化させる」可能性を秘めているといえます。

3:生成AIがもたらす学習スタイルの変化

⚫︎生徒の学習効率向上はまだ道半ば




生成AIの活用で生徒の学習効率は向上したかを質問してみると、

・はい:22.3%
・いいえ:46.3%
・わからない:31.4%

と向上したとの回答は22.3%にとどまり、現時点ではまだ多くの現場で目に見える効果を実感しきれていない状況もうかがえます。

⚫︎学習効率は限定的でも、“学びの形”に変化の兆し




一方で、具体的な生徒の学習効率を感じる活用場面では、

・生徒が即座に疑問を解消できるようになった:41.3pt
・復習や予習が効率化された:36.5pt
・個別最適な学習プランが得られるようになった:33.3pt

といった声があり、学びの自由度や柔軟性は確実に広がっているといえます。今後の運用次第では、学習効率への効果が広がるだけでなく、授業の進め方や評価方法にも変化が訪れる可能性があります。AIが反復練習や情報提供を担うことで、教師はより創造的な指導や学習体験の設計に時間を割けるようになり、これまでにない学びの形がさらに期待されます。

■AIコンサルタントからのコメント

アルサーガパートナーズ株式会社
AIコンサルタント シニアマネージャー 三木大吾

教育現場での生成AI活用は、先生の年代や学校環境によって差が大きいと感じます。実際にインタビューした先生からは「興味はあるけれど業務に追われて使う時間がない」といった声が多く、一方で校内に積極的に活用する“インフルエンサー的存在“がいる学校では広がりが加速しているという話も聞きました。
現在はルーチン業務での活用が中心ですが、先生方からは「生徒指導や進路指導に活用したい」という意欲も出てきています。過去の記録や学習データをAIが引き継げれば、若手教員の負担軽減につながり、より深い指導に時間を使える可能性があります。
調査で「前向き」と答えた6割も、実際には様子を見ながら試している段階という印象です。だからこそ、無理なく試せる仕組みづくりと、現場の先生自身が“広げ役“となる草の根的な取り組みが、教育におけるAI活用を前進させる鍵になると思います。

■調査結果まとめ

・生成AIの活用率は4割未満だが、6割以上の教職員が活用に「前向き」
教職員の61.9%が「とても前向き」「やや前向き」と回答。実際の活用率は37.2%にとどまる一方で、導入意欲や期待は高まっており、今後の普及拡大の余地が大きいことがわかる。

・業務負担軽減を実感したのは3割未満
業務負担が軽減されたと答えた教職員は28.6%にとどまり、半数以上が「変わらない」「むしろ負担増」と回答。AI出力の確認や、生徒の成果物がAI利用かどうかの判別など、新たな管理業務が発生している現状が明らかになった。

・中学校教員のみ負担軽減効果が高い傾向
職種別でみると、中学校教員の約4割が負担軽減を実感。他職種では半数以上が効果を感じておらず、授業形式や課題内容との相性が影響している可能性がある。

・負担軽減の恩恵はルーチン業務で顕著
教材作成時間の短縮(40.7pt)、採点の自動化(34.6pt)、授業準備の負担削減(30.9pt)など、反復性・定型性の高い業務で特に効果が見られた。

・AIによる教師と生徒の関係性に大きな変化はなし
64.0%が「変わらない」と回答。質問の質向上(40.0pt)や個別指導時間の確保(33.3pt)など、ポジティブな変化も一部で見られます。会話減少(31.1pt)といった懸念はあるものの、AIは学びを支えつつ教師と生徒のつながりを保つ可能性を示した。

・生徒の学習効率向上は限定的だが、柔軟性は拡大
効率向上を実感している教職員は22.3%にとどまるものの、疑問の即時解消(41.3pt)、予習復習の効率化(36.5pt)、個別最適な学習プランの提供(33.3pt)など、学びの自由度や柔軟性の向上が報告された

・教師の役割に新たな良い変化の兆し
AIが情報提供や反復練習を担うことで、教師はより創造的な授業設計や学習体験の構築に時間を割ける可能性がある。授業の進め方や評価方法にも変化が生まれることが期待される。

調査から浮かび上がった矛盾と可能性

教育現場で生成AIの活用は前向きではあるものの、「便利なはずなのに業務負担が思うように減らない」という矛盾も浮き彫りになりました。背景には、教育現場特有の確認作業や倫理的配慮など、AI活用に伴う新たな業務が存在することが分かります。

また、教師と生徒の関係性については「変化なし」が多数派でしたが、「質問の質が向上した」「個別指導に集中できるようになった」といったポジティブな変化も報告されています。これらは、AIが学習支援の一部を担うことで、教師がより深い対話や創造的な指導に時間を割ける可能性も見えました。

■今後の展望

アルサーガパートナーズは、こうした課題と可能性の両面を踏まえ、導入から運用まで包括的に支援することで、教師や生徒が安心してAIの恩恵を最大限に享受できる環境づくりを推進しています。今回の教職員へのアンケート結果を踏まえ、アルサーガパートナーズでは教育現場の効率化だけでなく、教育の本質である人と人との関わりをより豊かにするAI活用を目指してまいります。

▼過去実績
教育:
・アルサーガパートナーズ、千代田区立九段中等教育学校が導入する 校内生成AI「otomotto」を開発支援
・Yui Connectionとアルサーガパートナーズ、教員の生徒所見作成をAIで支援する「EduCopilot」をリリース

医療:
・【医療現場で本格導入】慶應義塾大学病院とアルサーガパートナーズ、 生成AIを活用した「退院サマリ作成支援AI」システムを共同開

不動産:
・東急リバブル×アルサーガパートナーズ 生成AIを組み込んだSNS投稿文章作成システムを独自開発

アルサーガパートナーズでは、生成AIの活用にお困りの企業様に対して、生成AI活用の支援をコンサルティング・開発の両面から行っております。

ご興味のある企業様は、こちらよりアルサーガパートナーズまでご連絡ください。
問い合わせフォーム:https://www.arsaga.jp/contact/
アルサーガパートナーズ株式会社
アルサーガパートナーズは、成長し続ける流行の発信地“渋谷”に拠点を置く総合ファームです。「日本のDXを世界で誇れる産業へ」をビジョンに掲げ、DXサービスをワンストップで提供するため、コンサルティングからシステム開発、保守・運用までの体制を整えています。「最高品質を最速で」をスローガンに掲げ、お客さまに寄り添いながらビジネスの成功をより確実なものへと導きます。

本社     :東京都渋谷区桜丘町1番1号 渋谷サクラステージSHIBUYAタワー18階
熊本支社
新市街オフィス:熊本県熊本市中央区新市街8番7 TERRACE87ビル2F
平成オフィス :熊本県熊本市南区江越2丁目24-1
福岡支社   :福岡県福岡市中央区天神一丁目10番20号 天神ビジネスセンター7階
代表者    :代表取締役会長兼CTO 小俣泰明、代表取締役CEO 渡邉純平
設立日    :2016年1月
資本金    :14億3,470万円(資本準備金等を含む)
従業員数   :420名(2025年8月末時点)
事業内容   :ワンストップDXソリューション事業
Web      :https://www.arsaga.jp/

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