倒木による列車の長時間の運転見合わせが岡山県内で急増しています。JR西日本岡山支社は対策として、沿線の樹木を集中的に伐採する新たな取り組みを始めました。
JR西日本岡山支社によりますと、中国地方の5つの県で倒木により列車の大幅な遅れや運休に至ったケースは2019年度には約25件でしたが、2024年度は約50件と倍増しています。最近の気候変動や、樹木の老齢化、沿線私有地の管理不全が主な原因です。
(JR西日本岡山支社 林秀樹支社長)
「雨の降り方が猛烈なので斜面を洗ってしまう。根がしっかり張っていた所も、上部がむき出しになったり、流されてきた物が木を圧迫したりすることが(倒木に)つながっているとみている」
岡山支社ではこれまで、予防的に沿線樹木の伐採に取り組んできました。しかし、作業は人の手で、1本ずつ診断するため、1カ所の伐採作業に4日程度かかり、より効率的で効果的な対策が求められていました。
新しい取り組みでは、航空レーザー測量を導入し、広範囲の斜面で伐採すべき場所を確認。伐採作業には大型重機を導入し、夜間や昼間など時間帯を絞って集中的に作業します。特に倒木被害が多い伯備線で、2025年7月から取り組んでいます。
(JR西日本岡山支社 林秀樹支社長)
「(倒木の)発生件数がどんどん増え、後追い、後追いという今までのやり方では追いつかないという危機感を強めたからこういうやり方を考えた」
また、最近は、所有者が分からない私有地の倒木も増加していることから危険な樹木は倒れる前に伐採できるよう、手続きの簡素化を行政に働きかけていくとしています。