高温少雨の影響で土壌のひび割れや稲の葉が黄色く変色してしまう被害が出ていた新潟県南魚沼市九日町地区で稲刈りが始まった。果たして新米の出来は?稲刈りの現場を取材した。
南魚沼市で稲刈り始まる「いつでも刈ってくださいという顔している」
黄金色の稲穂が辺り一面に広がり、稲刈りの最盛期を迎えていた南魚沼市九日町地区。

大きく育ったおコメを手に、この地区でコメ農家を営む山田弘さんは「穂が出来上がっている。みんな、いつでも刈ってくださいという顔をしている」と話す。
笑顔を見せる一方で、「あの時は本当にしんどかった。このままいくとみんな枯れる。おコメが半分取れればいいかなと思った」と語る山田さん。
“水不足”で土壌がひび割れ 葉は黄色く変色…
振り返るのは2か月前のことだ。

「手前はある程度緑だが、真ん中あたりを見ると黄色くなっている。やっぱり水分不足、それが原因」
九日町地区の田んぼでは、6月上旬から約1カ月まとまった雨が降らなかったことで土壌がひび割れてしまったほか、稲の葉が黄色く変色してしまうなどの被害が発生。
水不足に頭を悩ませ、今年のコメの出来を案じていた。
雨や市の対策で水不足改善「今はもう十分」
しかし、待望の稲刈りを迎えたこの日、山田さんは「夏の頃は渇水でひび割れしていたが、きのうも雨が降って今は土壌が白くない。黒い。だいぶ水分を含んでいるので、水はもう十分」と安堵の表情を浮かべる。

南魚沼市が地下水を溜めてある消雪用パイプ用の井戸に仮設ホースをつなげて用水路に水を供給する支援対策を講じたことや、8月下旬からまとまった雨が降ったことなどで九日町地区では水不足が改善。
以前見られていた土壌のひび割れや稲の葉の変色は、現在はないという。
新米の出来に期待「一等米はクリアできるのでは」
「ようやくこの実りを見たら、何とか一等米はクリアできるのではないかと思う。収量的には例年並み」

山田さんは、毎年450kg程度のコシヒカリを収穫しているが、今年も例年通りの収量や品質を見込んでいて、新米の出来に期待を寄せる。
「秋の実りのために田んぼに消毒をしたり、肥料をまいたりみんなが努力をしているので、何とかおいしいお米が今年もとれると思う。何十年と田んぼをしていて、この秋が一番楽しみ」
九日町地区の稲刈りは9月いっぱい続く予定だ。
(NST新潟総合テレビ)