佐賀県警の科学捜査研究所によるDNA鑑定の不正。佐賀県弁護士会は、県警の科捜研が行った科学鑑定すべてに対する信頼を失墜させたとして「最大限非難する」との声明を出し、第三者による徹底的な検証を訴えた。
「鑑定の信用性揺らぐ全国的な問題」
佐賀県警科捜研のDNA鑑定不正が発覚したことについて、佐賀県弁護士会のメンバーで17年間、刑事事件全般に取り組んできた半田望弁護士は次のように語った。

佐賀県弁護士会 半田望弁護士:
前代未聞の問題だと思っている。私どもとしても、これから何を信じればいいんだということになってくる
佐賀県弁護士会は、「佐賀県警の科捜研が行った科学鑑定すべてに対する信頼を失墜させ、弁護士会として最大限非難する」との声明を発表した。

半田護士は、「これは佐賀の問題だけではなく、全国的に見て鑑定の信用性というものが大きく揺らぐ非常にゆゆしき問題だと考えている」と問題の重大性を指摘する。
公判に影響はない?「信じがたい」
さらに声明では、県警の「捜査や公判に影響はない」との主張について、「信じがたい」と懐疑的な見方を示している。

佐賀県弁護士会 半田望弁護士:
公判に問題があったかどうかを警察や検察だけで判断すること自体が誤りだと思っている。一方、当事者である当該事件の被疑者や被告人、あるいはその弁護人に意見を聞かずに、どうして問題がないと言い切れるのか、その理由を本当におたずねしたい

「第三者による徹底的な検証が必要」
佐賀県警科捜研のDNA鑑定不正について佐賀県弁護士会は、第三者機関による調査を強く求めている。

半田弁護士は「今回の問題について内部調査で終わらせるのは絶対にしてはいけない」と今後の県警の対応に懸念を抱いている。

佐賀県弁護士会 半田望弁護士:
弁護士を含めた外部の第三者による徹底的な検証が必要だと考える。今回の件で不安定な地位に置かれた被疑者や、あるいは場合によっては被害者の方にもとっても、今回の不正というのは非常に大きな影響があったのだろうと思う。県警はこれらの方に対してどのような態度を示されるのか、そこをしっかりはっきりとしていただきたいと思っている