日本維新の会は18日、提言「21世紀の国防構想と憲法改正」を発表した。憲法9条は今の日本を取り巻く安全保障環境と乖離(かいり)しているなどとして、「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」などとする憲法9条の2項を削除することを求めている。
提言では、憲法9条2項を削除した上で、「集団的自衛権行使を全面的に容認する」と明記した。
現行憲法下で日本は、武力を行使できるのは攻撃を受けた時に限定される「専守防衛」の方針を取っているが、提言では、「我が国の防衛の基本方針は、『専守防衛』から『積極防衛』に転換する」としている。
さらに、「国家固有の権利たる自衛権(個別的自衛権・集団的自衛権)を有することを憲法に明記する」ことや、「『国防軍』を保持することを憲法に明記する」ことも盛り込んでいる。
日米同盟については、「憲法9条2項削除による集団的自衛権の全面容認を行った上で、日米安全保障条約を改定し、相互防衛義務を設定するべき」としている。
これにより、アメリカが日本を防衛する一方で日本はアメリカを防衛しない現在の「非対称的双務性」を解消し、相互に防衛する「対照的双務性」に移行するよう求めている。
この他、中国の軍事拡張や海洋進出を念頭に、日本・アメリカ・オーストラリア・フィリピンの海洋4カ国による「四海同盟」の締結も主張している。
安全保障調査会会長の前原誠司前共同代表は、「この80年間、安全保障についての議論は思考停止に陥っていたと言っても過言でない」と指摘し、「日本の安全保障の転換点になる」と述べた。
また、憲法改正調査会会長の馬場伸幸元代表は、「自民党の次期総裁候補には、政策に対する考え方の違いを明確に示してほしい」とした上で、「国民が真に安心できる安全保障体制、そして憲法改正を構築していきたい」と述べた。