10月から寄付した人への特典ポイントが禁じられるふるさと納税の制度。駆け込みでの寄付が想定される中、自治体などもPRを強化しています。美作市では9月17日、返礼品の魅力を伝える撮影会が開かれました。
美作市の山々で実を結んだ皮ごと食べられる大粒のブドウ「シャインマスカット」に、清らかな水で育ったアマゴの甘露煮と塩焼きです。会場には美作市の事業者が準備した30の返礼品が並べられました。
ふるさと納税ポータルサイト、「さとふる」が主催したこの撮影会。返礼品をより立体的に表現しようと、プロのカメラマンが光の当て方や撮影角度などを調整し、「映える写真」に仕上げていきました。
(道の駅 彩菜茶屋委託販売課 小林隆一課長)
「私たちが撮る画像とは全く違う。すぐ食べてしまいたくなるようにうつっている」
(右手養魚センター 清水明さん)
「やっぱりプロが撮るとこんなに商品が映えるのだなと思った。自分たちが撮ったらこうならないのでいい勉強になる」
2008年度に始まったふるさと納税の制度。美作市の2024年度の寄付額は2億4800万円で、前の年度より9100万円増えています。現在、返礼品は特産品のほか温泉宿泊券など700以上を準備しているということです。
(美作市総合政策課 青山公介さん)
「満足してもらえるような返礼品になっているのではないかと思う。地場産品ということで市内の事業者がこれによって活性化してもらえたらいい」
ふるさと納税は、自治体を選んで寄付すると、自己負担の2000円を除いた額が住民税や所得税から控除される制度です。人口減少により税収が厳しい自治体にとっては貴重な財源となっています。
2024年度、全国の寄付額は1兆2728億円と過去最高を記録し、岡山では127億6000万円、香川では98億6000万円となりました。
返礼品の魅力アップなどで寄付する人が増えてきましたが、問題も。仲介サイトが付与するポイントが寄付した人の囲い込みにつながるとして総務省は10月からポイントを禁止します。
また自治体側では、吉備中央町が返礼品のコメを巡り調達費用が「寄付額の3割以下」とする基準に違反したとして、2025年6月、制度から2年間除外されました。
制度が定着した今、公平性などをどう確保していくか、改めて考える時期が来ています。