65歳以上は14.4% 高齢者の感染拡大に懸念

東京都は10月8日、新型コロナウイルスの「モニタリング会議」を開き、感染状況については新規陽性者数の増加比は低下したものの、新規陽性者数と接触歴不明者数は高い水準が続いていることや、経済活動の活発化やクラスターの発生による増加に警戒が必要として、警戒レベルを先週と同じ、上から2番目に深刻な「感染の再拡大に警戒が必要」に据え置いた。

東京都の感染者数推移
東京都の感染者数推移
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この1週間の傾向としては、40代の感染者が減り、70代と80代が増加。感染者の中で65歳以上が占める割合は14.4%にのぼっている。

重症化しやすい高齢者の感染拡大について、小池知事も「特筆すべき部分」と警戒感を露わにしている。

また、感染経路については、最も多い家庭内感染は、先週の31.9%からほぼ横ばいの30.2%で、シェアハウスでの感染も報告されているという。さらに、友人とのレジャー、ライブハウス、スポーツジムなどでの感染も確認されていて、感染場所だけを聞くと、さながら第1波の時のようだ。

一方、医療体制については、「医療機関への負担が強い状況が長期化している」として、こちらも警戒レベルを先週と同じ、上から2番目に深刻な「体制強化が必要」を維持した。

8日に行われた東京都モニタリング会議の様子
8日に行われた東京都モニタリング会議の様子

4連休の影響は? 冬に向け徹底した感染対策を

会議を終え、国立国際医療研究センターの大曲センター長は、「4連休の数字の影響は今回出ている。全部が全部ではないがすごく増えた訳ではなかったので、胸をなで下ろしているところではある」との見方を示した。

その上で、個人的な見解として、「調べてみると4連休は公園に行ったりする方がすごく増えた。一方で職場に行く方の数ががくっと減っているので、人が動くにしても、リスクが低いことをしていればそんなに問題ないんじゃないか」と述べ、「3密を避けてマスクをするということを意識して、移動・行動するのが重要」と強調した。

つまり、人が動くこと自体が問題なのではなく、その行き先の3密の程度や換気の状況、マスクの有無などが感染リスクに影響してくると言うことか…。

その他にも大曲氏は、高齢者に対しても、家にこもりすぎず、対策をとった上で運動などをするよう呼びかけた。

国立国際医療研究センターの大曲貴夫センター長
国立国際医療研究センターの大曲貴夫センター長

冬に向け、激増してはいないものの「下げ止まっている」状況について、ある幹部は第3波に向けて「発射台が高い」と懸念を示す。

本格的なインフルエンザシーズンに突入する前に、新しい日常での“特別な冬”に向けた心構えが必要なのだろう。

(執筆:フジテレビ社会部 都庁担当 小川美那)

小川美那
小川美那

「お役に立てれば幸いです」 見てくださる皆さんが“ワクワク&ドキドキ”しながら納得できる情報をお伝えしたい! そのなかから、より楽しく生き残っていくための“実用的なタネ”をシェアできたら嬉しいなあ、と思いつつ日々取材にあたっています。
フジテレビ報道局社会部記者兼解説委員。記者歴20年。
拉致被害者横田めぐみさんの娘・キムヘギョンさんを北朝鮮でテレビ単独取材、小池都知事誕生から現在まで都政取材継続中、AIJ巨額年金消失事件取材、TPP=環太平洋経済連携協定を国内外で取材、国政・都政などの選挙取材、のほか、永田町・霞が関で与野党問わず政治・経済分野を幅広く取材。
政治経済番組のプログラムディレクターとして番組制作も。
内閣府、財務省、金融庁、総務省、経産省、資源エネルギー庁、農水省、首相官邸、国会、財界(経団連・経済同友会・日商・東商)担当を経て現在は都庁担当。