故郷に恩返しの指導です。女子バレーボールでオリンピックに出場した長野県須坂市出身の高橋有紀子さんが、8月、地元の男子クラブチームのコーチに就任しました。バレーで地域を盛り上げたいと意気込んでいます。


須坂市を本拠地に活動する、バレーボール・Vリーグ長野ガロンズ。選手たちの練習をコートの脇で見つめる女性。

長野ガロンズ・鬼頭有紀子コーチ:
「練習を見に来たのが2回目なんですね。技術というよりは、チームがどんな感じかなというのを見ていました」

8月、チームのコーチに就任した須坂市出身の鬼頭有紀子さん。旧姓・高橋有紀子さん。県民の皆さんは「高橋」の名前がなじみ深いのではないでしょうか。

女子バレーボール日本代表として五輪に2度出場。その後、ビーチバレーに転向して、さらに2度、五輪に出場し、活躍しました。鬼頭さんが、地元・須坂市でコーチを引き受けたのは、故郷への「恩返し」の思いです。

長野ガロンズ・鬼頭有紀子コーチ:
「(長野は)バレーボールが盛んで、そういう所でもう1回、何か力になることがあればと思って、これは今、私が須坂、バレーボール、長野ガロンズに恩返しをするときだと思ってスタッフに入ることを決めました」


ガロンズは墨坂中学校の体育館で練習しています。ここは、鬼頭さんが中学時代に汗を流した思い出の地。バレーボール部のエースアタッカーとして、チームをけん引。全国大会で優勝を果たしました。鬼頭さんの原点の場所でもあります。

長野ガロンズ・鬼頭有紀子コーチ:
「自分的にも信じられないというか、地元でバレーやっているんだなっていううれしさと、ワクワクしているという感じ」

鬼頭さんは横浜で生活する傍ら、月に2度ほど、ガロンズで指導にあたります。

鬼頭有紀子コーチ:
「今Vリーグでやっているけど、いずれはSVリーグ、一番トップのリーグでやりたいという思いは個人的にあります」


ガロンズは昨シーズンのVリーグで10勝18敗。東地区8チーム中、6位でシーズンを終えました。

20代前半の若い選手が多く、勢いのあるチームです。その反面、競った展開では経験不足が露呈することも多くみられました。

長野ガロンズ・小林雅治キャプテン:
「いろんな経験豊富な選手を見てきているので、違う視点からの指導・アドバイスを受けられるのは、すごく大きいと思う」


鬼頭さんは現役時代、「セッター」として活躍。チームの攻撃を組み立てる「司令塔」の役割を担いました。その経験を生かし、選手の指導にあたります。

選手の動きを見て―。

鬼頭有紀子コーチ:
「走っていった時に、トップをジャンプトスだよ。あそこで待っちゃうと逆に難しいから行っちゃった方がいい」


積極的にアドバイスも―。

鬼頭有紀子コーチ:
「Bがあって平行でこういう感じで合わせようとしていて、直線でいいんじゃない」

長野ガロンズ セッター・山川悠輝選手:
「僕自身、気づいていなかったけど、Bクイックのトスが良いって言われた。鬼頭さんはピンポイントに、そこがいいからそこを生かしてみたいな指導をしてくれて自信にもなるし、そこを強みにして頑張っていけばいいというメンタルになりました」

長野ガロンズ セッター・志水一哉選手:
「今まで指導してくれた先生方とは違う。より専門的で困っているところを的確に指示してくれるので、自分の成長につながっている」

この日は実戦的な練習を中心に約2時間、汗を流しました。

鬼頭有紀子コーチ:
「今週末、試合があるので、それに向けて気持ち・モチベーションが高まっていて、一つ一つのプレーに気持ちがこもって、とてもいい練習だったと思う」

鬼頭さんは今後、ファンを増やすためイベントの実施など、チーム運営についてもアドバイスしていきたいとしています。最初の目標は満員の会場で、ファンに勝利を届けること。バレーボールで地元・須坂市を盛り上げたいと意気込んでいます。

長野ガロンズ・鬼頭有紀子コーチ:
「バレーボールをみんなで盛り上げて、目標はガロンズのユニフォームを着たファンの方がぎっしりの中で、ホームゲームで戦って勝つということが最初の目標です」

長野放送
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