業界では「セルフレジ」が広がる中、長野市街地のスーパーでは、焦らずに会計ができる有人の「ゆっくりレジ」を導入しました。利用者に高齢者が多いことが理由で、店は店員との会話も楽しんでほしいと話しています。
■新たに有人の「ゆっくりレジ」導入
長野市のもんぜんぷら座にあるスーパー「TOMATO食品館」。
レジの店員:
「暮れの準備で大変ですね、たくさん」
買い物客:
「そうですね、実家に持っていくやつとか、おばあさん一人だから何もないから」
従業員と買い物客のレジでの何気ない会話。今ではあまり見かけなくなった光景です。
店はこれまで、店員がバーコードを読み取り客が機械で精算する「セミセルフ式」のレジがメインでしたが― 。
レジの店員:
「お待たせいたしました、1805円、こちらへどうぞ。ここは機械じゃないので直接で大丈夫です」
12月、すべて有人で行うレジを1レーン導入しました。焦らずに会計できるその名も「ゆっくりレジ」です。
買い物客:
「年しているのでこのほうが楽ですね。安心です」
「機械に慣れてないからね。年するとね」
業界は効率化で「セルフ」が広がる中、逆の取り組みです。
スーパーを運営する「まちづくり長野」・藤沢敦さん:
「早く買い物したい人のニーズはセミセルフ、ゆっくり店員に確認したいのであれば『ゆっくりレジ』を使っていただいてと選択肢を設ける形で気持ちよく買い物してもらえたらと」
店は郊外のスーパーと違い、利用者は地元のお年寄りが多くいます。機械の操作が苦手な人もいると判断し「ゆっくりレジ」導入を決めました。
■「お客さんの言葉は宝物」
さらにもう一つ大きな理由が―。
買い物客:
「朝ちょっと寒かったですね」
店員・池田和美さん:
「寒かったですね。あと帰る頃とね」
買い物客:
「その割には外、暖かかった」
この日、「ゆっくりレジ」に立ったのは店員の池田和美さん。20年以上勤務するベテランで常連客とは顔なじみです。
店は池田さんら店員と会話を楽しみたいという人も多いのではと考えました。
実際、2024年秋に利用者にアンケートしたところ高評価を受けたのは店員の「親切な対応」や「話しやすさ」でした。
買い物客:
「おしゃべりできるのは楽しい。私は彼女のファンなんです。いつも元気で」
店員・池田和美さん:
「毎日ほとんど来ていただいて」
利用者:
「一声かけてもらえるとほっとする。機械だと物足りない、さみしいっていうか」
店員・池田和美さん:
「私たちにとっても感謝の気持ちを言葉で伝えられるのは機械とは違う。お客さんの言葉は宝物。(利用者のニーズを)私たちが受け止めてゆっくり対応できることが一番大切かな。次も来ようという気持ちになってもらえたら」
店は今後、お年寄りの利用者はさらに増えるとみています。従業員に認知症サポーター養成講座の受講も勧めていて、さらに接客面を強化していきたいということです。