「景気ウオッチャー調査」のウオッチャーとは?

「9月の大型連休に恵まれたので、レジャー目的の需要が増加した」
「相変わらず繁華街は人がいない状況」
これらは、それぞれ百貨店の従業員とタクシーの運転手の声。
きょう内閣府から発表された、9月の「景気ウォッチャー調査」の発表資料に盛り込まれたものだ。

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内閣府によると、9月の景気の現状を示す数値は前の月よりも 5.4ポイント上昇して49.3ポイントとなり、5カ月連続で改善した。

「景気ウォッチャー調査」は、商売の現場で働き、景気を敏感にウォッチできる人に、毎月景気についてたずねるもの。
全国各地のスーパーや飲食店の従業員、タクシーの運転手、また百貨店の売り場責任者らが「景気ウォッチャー」として選ばれる。

各ウオッチャーが、自分の身の回りの景気が良いかどうか、3カ月前と比べて景気が上向きかどうかなど1カ月に1回答えている。
さらに、客の数や商品の売れ行きの変化など、現場の具体的な状況も電話やネットを通じて報告。

9月の調査では
「来客数はめっきり減り、販売量についても前年よりもかなり落ちている」(近畿・衣服用品店)
「9月の4連休は、ほぼ満室が続き久しぶりに忙しかった」(南関東・ホテルスタッフ)
「昼はほぼ1人で来る客ばかり。夜も宴会はほぼない。飲食業としてはかなり厳しい状態」(南関東・レストラン経営者)
…などのコメントが寄せられた。

この「景気ウォッチャー」の声をもとに、内閣府が景気の現状や先行きについて数値化。景気の動向を分析し、発表しているのだ。

地域ごとの景気の動きがリアルに

この調査は、20年前に当時 経済企画庁長官だった堺屋太一氏が推し進めて始まった。
地域経済の動きを早く把握する方法を探る中で、各地で景気を観察しやすい立場にいる人たち=働く人たちから状況を報告してもらう…というスタイルの調査がスタート。

現在「景気ウォッチャー」の数は2050人。
全国各地に散らばる彼らには、まず内閣府から「景気ウォッチャー委嘱状」が贈られ、毎月質問が届くという。
ちなみに調査に答えると、毎回1000円分の図書カードが謝礼として贈られるそう。

決まった場所で、決まった人が、定期的に景気の動きを観察し報告する。
これが「景気ウォッチャー調査」のスタイル。
地域によってその時々の景気は異なるので、毎月ウォッチャーから集まるコメントは地域ごとの特色が表れ興味深い。

特にコロナ禍の今は、感染者数によって経済の状況が違ってくる。
感染者が増えた地域のウォッチャーのコメントは苦しいものが多かったり、感染者が減った地域は少し景気が良く感じられるコメントが多かったりと、リアルに表れる。
内閣府が公表する資料には、そんな様々なコメントがありのまま掲載されている。

ビジネスの現場の生の声が聞こえる「景気ウォッチャー調査」。
わかりやすく「なるほど」と思わせるコメントが満載で、景気の「今」を理解するうえでとても貴重な調査である。

(フジテレビ経済部内閣府担当 芦田優子記者)