神奈川・湯河原町、多くの観光客が訪れる関東有数の温泉街で、今ニホンザルの被害が相次いでいるといいます。

湯河原町役場の調査によると、サルによる被害はこの3年間で2万6839件にも及び、町環境課も「人への危害が常態化しており、早急な対応が求められる」と話すほど。

『サン!シャイン』は現地を緊急取材。人々の生活を脅かす“凶暴ザル”の実態に迫りました。
人を恐れないサルたち
サルたちが今の時期狙っているのは、家庭菜園の果物。

取材をしていると、サルによって食い荒らされたとみられるスイカが道ばたに落ちていました…。

湯河原町住民:
怖いですよ、1匹じゃないから。みんな十何匹…20匹ぐらいかな。屋根からここの庭から…もうそれぞれね2匹ずつでね。ブランコしたり、隣の柿を食べるサル…下でこちゃこちゃやる…、もう動かないんですよ、庭から。それで困ってね、町役場に電話したんです。

駅のホームやコンビニの駐車場、時にはベランダなど、人の生活圏で目撃が相次いでいるサルたち。懸念されるのは、街の経済を支える観光への影響です。

湯河原町にある旅館では、入り口に設置された虫よけの網戸を破ってサルが侵入。エントランスに置いてあったお菓子を奪い逃げたといいます。

旅館従業員:
(旅館の)中に入っちゃって、ふんを落としていくとかはあります。
他の旅館では(サルが)露天風呂に入っちゃって、お客さんを攻撃したとか。

被害は別の旅館でも…。
旅館従業員:
お客さん来る途中に猿の大群に出会って、びびりながら来たとか。
あと、娘が通学途中に、サルの大群に(道を)ふさがれて、(学校に)行けなくて家に戻ってきているとか…。

外国人観光客などが利用する「シェアハウス」では、窓越しに威嚇するサルの姿が。
さらに、別の日には部屋の中にまで侵入してきたといいます。

シェアハウスを営む 百武正人さん:
実際にリビングルームに人がいたんですけど、怖がらずにあちこち、食べ物を探していたっていう感じですね。中に入ってきちゃって、怖がらない、(人に)慣れて…。

撮影された映像には、器用にケーブルの上を歩いて逃げていく様子や、ベランダを縦横無尽に暴れ回る4頭のサルの姿が。

1頭は設備のケーブルをかじっています。

シェアハウスを営む 百武正人さん:
Wi-Fiを何回もやられました、ケーブルをかじるんですよ。
もう基本的にはサルが人を怖がらなくなったっていうのが年々繰り返されて、自分でドアを開けて入ってきたりとか、そういう知恵も。やっぱり慣れてくると。

湯河原町では、深刻な被害を受け、今後、群れの全頭捕獲を目標に県などと調整していくとしています。
もしサルに遭遇してしまった際は、目を合わせずにゆっくりと距離をとることが大切です。石を投げるなど、こちらから攻撃することは逆上される可能性もあるためやめてください。
(「サン!シャイン」 2025年9月16日放送)