共産党の機関紙の、日本維新の会・藤田文武共同代表の“身内への公金還流”報道に対する波紋が広がっています。

この記事の画像(10枚)

「しんぶん赤旗」によると、藤田氏側は自身の秘書が経営する会社に、「ビラ印刷費」などの名目で、2017年から2024年までに合わせて約2000万円分を支払い。このうち9割以上が政党交付金などの公金で、会社からは秘書に対し、年720万円の報酬が支払われていたといいます。

4日、代表質問を終えた後に、今回の報道について会見を行った藤田氏。

日本維新の会 藤田共同代表:
仕事の質、スピードともに信頼できる発注先として、業務上の合理性があるものでありまして、『法的にはどこから切り取っても適正である』ということは確認をしております。

「法的には適正」だと強調した上で…。

日本維新の会 藤田共同代表:
公設秘書が代表を務める会社に発注したという構図そのものが、誤解や疑念を招くものであるという指摘やご批判に対しては、真摯に受け止めたいと思います。
今後は、当該企業には発注をしないことと致しました。

若狭氏「違法だとか合法だとか評価できない形での会見は問題」

法の専門家、政治の専門家たちは今回の報道をどのように見たのでしょうか。

若狭勝弁護士:
政党の代表者の政治的スタンスとしては、問題があると思うんですよ。
法的にどうかというと、少なくとも今の時点では、もう少し詳しい公設秘書の会社への発注金額とか、あるいはさらに印刷業者に発注するのであれば、差額はどうだったのか。
つまり、利益が公設秘書の会社に落ちていないかどうかを、きちんと数字で表してくれないと法的に問題があるかどうか分からないし、そもそも公設第1秘書がやっている会社が、本当にビラ制作に対する、資質・能力・きちんと体制が取れているかということも全然分からないので。今の時点では、違法だとか合法だとかも言えない。
逆に言うと、違法だとか合法だとか言えない、評価できないような形での会見だったということで、それは問題だと思います。

谷原章介キャスター:
法的に問題ないという主張、じゃあ道義的にはどうなんだという問題も立ち上がってくるかとは思いますが。日本維新の会は、透明性、お金の透明性をきちんと出す、なおかつ無駄なコストをカットしていく、それを訴えてきた政党の共同代表が今回のような指摘を受けることをどう思いますか?

政治ジャーナリスト 青山和弘氏:
藤田さんの会見を聞くと、藤田さんは相当自信を持っているんだと思います。よほど高い金額で発注を受けて、ものすごく利益を回していた、もしくはものすごく安く請け負ってもらって、むこうから利益供与を受けていたということもないということに、自信を持っているんだと思います。
ただ、“デザイン”というのはお金がつけにくい。このデザインが100万なのか1000万なのかってある意味、言い値なところがあるじゃないですか。そういう意味では、脇が甘いというか、疑惑を持たれかねないものだったといえます。
維新にとっては、非常にマイナスなイメージになったなと。

ジャーナリスト 岩田明子氏:
今までは野党だったので、こういった形で注目されることはありませんでしたから、相場と同じような金額だったらいいだろうと考えていたんでしょうけれど、与党で中心的な存在になってくると、常に批判をされるわけですから、維新が注目されている間に、これまで7~8年の年月がありましたから、外形上、少しでも疑義が生じかねないと思った時点で、解約した方が良かったと思います。

一連の報道を受けて、維新の吉村代表は、「維新としては厳しく対応すべきだと判断した」と発言。これまで『3親等以内の親族の会社への公金支出を禁止』していた党の内規について、秘書が代表を務める会社に対しても禁止する方針です。
(「サン!シャイン」 11月5日放送)