万博・華やかな舞台の裏側支えるスタッフに密着
閉幕まで1カ月となった、大阪・関西万博。
13日には人気パビリオン「フランス」のナショナルデーが開催された。
こうした海外パビリオンのイベント運営などを陰で支える知られざるスタッフに密着した。

■舞台裏で奮闘する日本人スタッフ
13日、万博で開かれたフランスのナショナルデー。
観客:レア!レア!レア!
フランスの人気俳優レア・セドゥさんらも参加してイベントに華を添えた。
しかしその裏側で、慌ただしく動く1人の日本人の姿が。
藤墳稔さん:これは、困ったな。誰かいないと本当にヤバくなりそう。
日本国際博覧会協会の職員で、「カントリーマネージャー」を務める藤墳稔さん(63)。
「カントリーマネージャー」とは、海外パビリオンのスタッフのビザ申請から建築に関わる手続きまで、あらゆるサポートをするのが仕事だ。
-Q何か国ぐらい担当している?
カントリーマネージャー 藤墳稔さん:私は6つ。きょうの懸案事項はなんだったっけ?この日行く(各パビリオンの)要件のメモを毎日アップデートして、作り直していかないと。

■「リスペクトしています」同僚からも絶大な信頼
イタリアやスペインなど、大規模なパビリオンを担当する藤墳さん。
海外経験が豊富なことから、民間企業から5年前に協会に出向した藤墳さんは、30人ほどしかいない「カントリーマネージャー」の中で、頼りにされる存在だ。
同僚のカントリーマネージャー:私たちの間では”キャプテン”とか”社長”って言われてて、周りの人にもアドバイスくださったりとかもするし、全部分かっていらっしゃる。本当にリスペクトしています。

■「日本への愛を表現“赤い糸”」 フランス館のナショナルデー迫る!
取材したこの日は、藤墳さんが担当するフランスのナショナルデーの開催が迫っていた。
企画するイベントは「赤い糸」。
日本への愛を表現しようと、バトンを持ったボランティアが両国のパビリオンの間およそ300メートルをつなぐ。

■難題を調整するのが仕事…
フランスの担当者と当日の流れを打ち合せしたが…
カントリーマネージャー 藤墳稔さん:来場者が通れるようにしないといけないんだけど…
フランス館・女性職員:有名人が通り過ぎる前で警備員がこうして立つので通り抜けできます。問題ありません!
ナショナルデーで広場を人が埋め尽くす大々的な企画は前代未聞。
こうした難題を調整するのが藤墳さんの仕事だ。
カントリーマネージャー 藤墳稔さん:その参加国がやりたいことをできるだけそのままの形で実現させるのが私の100点。
フランス館の総監督も信頼を寄せている。
フランス館・ジャック・メール総監督:どれほどのプレッシャーが彼にあるかはわからないけど、彼がいなかったら、成し遂げられなかったことがたくさんある。

■赤で埋め尽くされた会場
そしてナショナルデー当日。
(藤墳さんが赤いスカーフをはおりながら)「赤い格好をしてこいという案内を出しているので。私が何もしないわけにはいかないから」
いよいよ本番。
「いってらっしゃい~」
赤い服を着た200人のボランティアがフランスと日本のパビリオンの間に立ち、無事「赤い糸」が完成した。
アンバサダーを務めるフランスの人気俳優レア・セドゥさんと、日本館の名誉館長・藤原紀香さんがバトンを交わしたところでイベントはクライマックスに!

■「大事にしていたものが形にできてみんな幸せ」
フランス館総監督:Thank to you!(あなたのおかげです)
藤墳稔さん:いやあなたのおかげですよ。
カントリーマネージャー 藤墳稔さん:ジャック総監督がパビリオンの構想計画したときから彼が一番大事にしていたものがこれでしたので、それが形にできてみんな大変幸せなことです。
華々しいイベントの裏には、各国のために奔走する知られざる人たちの姿があった。
(関西テレビ「newsランナー」2025年9月15日放送)
