【キャスター】
急増するニセ電話詐欺について。スタジオには警察・司法担当の吉冨記者です。よろしくお願いします。
【吉冨記者】
よろしくお願いします。まずはこちらをご覧ください。
こちらは、制服を着て警察手帳を示す男、まるで本物の警察官のように見えますが、実は偽者です。警察官と信じた相手に、「あなたの口座が犯罪に使われている」などと持ちかけ、金をだまし取るケースが増えています。
【キャスター】
感覚的にも詐欺が最近多いというのは感じていますが…実際に被害はどれぐらい増えているんでしょうか?
【吉冨記者】
モニターをご覧ください。今年1月から7月までの被害額です。
去年の同じ時期は1億円余りでしたが、今年は約10億円と、約8倍に膨れ上がっています。
そして、ニセ電話の認知件数も去年の同じ時期の2倍以上に急増しています。
実際に、身近に怪しい電話があったという人に話を聞きました。
【60代男性】
「やっぱりそのなんか『お宅のカードがなんか犯罪に使われてます』みたいなことで。やっぱりこう年を召されたお母さんに電話があったみたいで、やっぱり本人はだいぶ動揺されたんじゃないかと思います」
電話を受けた女性は、周りにすぐ相談したことで被害を防げました。
一方、県警は県内で詐欺被害にあった約50人を対象に、「どうして騙されたのか」について詳しい聞き取りをしたといいます。
【県警察本部生活安全企画課 村田義弘室長】
「やはり被害に遭われた方はやはりこういう詐欺が発生しているということは知っていらっしゃるのですけど、やはり自分が被害に遭った詐欺の手口については全然知らなかったというふうに言われる方が多いです。」
【キャスター】
詐欺の手口をできるだけ知っておくのが大事だと思いますが、最近の傾向などはあるんでしょうか?
【吉冨記者】
冒頭でもお伝えしましたが、最近「警察語り」が増えています。
具体的に紹介します。まず始めに、携帯電話会社や金融機関から電話が来て「あなたの口座が犯罪に使われている」「口座を止める」など言われます。これを真に受けてしまうと、佐賀県警ではない遠い地域の警察官に代わり「今から署に来てください」などと言われます。
【キャスター】
どうして地元の警察を名乗らないのですか?
【吉冨記者】
直接会うのではなく、「ビデオ通話での取り調べ」に移行させるためです。こちらは沖縄県警などを名乗るニセの警察官が取り調べをする実際の映像です。
【ニセ警察官】
「事情聴取ですが、音声と映像による方式で録画することで法的な効力をもつ。よろしいですか。流れを説明するんですけど…
Q.警察手帳とお顔を…
【ニセ警察官】
「警察手帳見えますよね」
【吉冨記者】
そして、警察官と信じた人に対し「資産を確認したい」「口座が使えなくなるので全額を指定する別の口座へ」などと言われ、だまし取られるということです。
【キャスター】
工程が多い分、途中で気づけるんじゃないかと思ってしまうのですが、どうなんでしょうか?
【吉冨記者】
正直、誰かに相談できれば気づけると思います。ただ、このような電話は実際にはニセの裁判官や検察官など次々に登場人物が増えることがあり、「誰かに相談する隙を与えない」というのも特徴なんです。街の皆さんに対策を聞きました。
【60代女性】
「固定電話を常に留守電にしてます。固定電話は、意外分からない電話がよくあるよって友達が言ってるから」
【50代男性】
「知らない電話は出ません。もうあとは自宅とかもすぐ鍵をかけてなるべく不要な対応はしないようにはしてますよね。」
やはり一番の対策は、電話に出ない・犯人と接触しないことです。
佐賀県警は、特に“国際電話”に注意を呼びかけています。
実は、8月までのニセ電話詐欺の電話番号のうち、7割以上が国際電話です。
【生活安全企画課 村田義弘室長】
「国際電話からの連絡をまず取れないようにする、「国際電話の不取扱い」、これの対策を徹底してもらえればまず犯人側からの連絡を受けることがなくなりますので」
【吉冨記者】
最後に、クイズです。ニセ電話詐欺で“だまされる人の特徴”は次のうち、どれだと思いますか?
●高齢者●主婦●一人暮らし●若者●共通点はない
【吉冨記者】
正解は「共通点はない」です。
年齢層や職業も幅広く誰にでも騙される可能性があるということです。最近の手口は巧妙化しています。自分自身で、危機感を持つことが必要です。
【キャスター】
ここまで吉富さんでした。