仙台市に住む70代の女性が、警察官などを装った男にだまされ、金塊約860万円相当と、現金約1200万円を失う被害に遭っていたことが分かった。
警察は特殊詐欺事件として捜査している。

被害があったのは、今年7月5日。仙台市泉区に住む70代女性の自宅に「NTT」を名乗る自動音声の電話がかかってきた。内容は「この電話が使えなくなる」といったもので、女性は案内に従って電話機を操作した。
直後に「警察官」を名乗る男から電話があり、「マネーロンダリングの疑いがある」「あなたに逮捕状が出ている」などと、不安を煽る言葉を投げかけられたという。

その後、女性はSNS上でも「警察官」を名乗る人物と連絡を取るようになった。
女性は「捜査のため、あなたが持っているお金を調べる必要がある」「指定の口座に現金を振り込めば、無実を証明できる」などと、言葉巧みに金銭の提供を要求された。

これを信じた女性は、7月8日から25日までの間に、計1200万円を指定された口座に複数回にわたって振り込んだ。
さらに女性は、「現金と金塊を用意し、自宅の門柱に置くように」と指示され、時価約860万円分の金塊と、現金約90万円を袋に詰め、門柱に置いたという。
事前に「守秘義務があるから絶対に外を見ないように」と言われていた女性は、5分後に確認したところ、何者かによって金品が持ち去られていたという。

女性は最終的に、金融機関から「不審な取引がある」と通知を受けて不安を覚え、家族に相談。この時点で初めて詐欺を疑い、警察に相談したという。

警察は、電話やSNSで捜査し金銭を要求することはないとして、注意を呼びかけている。

仙台放送
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