退職代行サービスを使って会社を辞める人が増える中、離職を防ぐサービスが登場しました。

広告会社が始めた退職引き留めサービス「イテクレヤ」。
退職代行などを使っての社員の退職が続いた企業から相談を受け、誕生したサービスだといいます。

おくりバント・西久保剛社長:
退職引き留めサービスという強い言葉を使ってるんですけど、引き留めはしてないです。会いにくい人とか、通れない道が少なくなっていけばいいなと思ってます。

この“退職引き留めサービス”の仕組みは、まず「イテクレヤ」が企業と社員の間に立ち、経営者や退職希望者を含む社員から匿名でヒアリングを行います。

社員から聞き取った意見は企業側にフィードバックをして、離職の要因を企業内で共有。
そのうえで社員へ改善策を提示することで、社内環境の改善や離職の防止を支援するとしています。

おくりバント・西久保剛社長:
退職代行サービスを使うのも、セーフティーネットとして必要なサービスだと思ってるんです。ただ我々としては、もしかして腹を割って話し合えば、お互いに理解できるものがあるんじゃないか。誤解があって辞めるのもったいないから、それが解消できればなと思っています。

必要に応じて相談窓口を設置し、社員の声を継続的に拾い上げるサポートもしていく考えです。

イテクレヤを導入した企業では、社員の退職につながる原因を明らかにできて、社内環境を改善することができたといいます。

導入した企業の社員からは「今まで不明瞭だった昇給ルールが明確になったのがありがたかった」「今後は私たちも齟齬(そご)が生まれないよう、コミュニケーションを意識していきたい」といった声が。

このサービスについて、街からは「どうしても言いづらい事情とかあると思うので、第三者を介して言うのはありだとは思う」「(企業から)直接聞いた方が心も気持ちも伝わって、一回考えるかな」など、さまざまな声が聞かれました。

人材確保を図るうえで、働きやすい環境を企業側がどう用意するのか、社員とのコミュニケーションの取り方がより重要となっています。