数々の映画やドラマで 存在感ある役柄を演じてきた俳優の吉行和子さんが、2日、肺炎のため亡くなりました。90歳でした。
俳優としての始まりは、1957年の舞台「アンネの日記」の主役、アンネ役でした。
1978年には大島渚監督の映画「愛の亡霊」で、2014年には山田洋次監督の映画「東京家族」で日本アカデミー賞・優秀主演女優賞を受賞。
1988年に一人芝居の舞台に挑戦した際には「(一人芝居は)やっぱり大変だけど面白さもあるんです。全部自分がコントロールしている、結局あぶなっかしいことが好きなのね」と、そのやりがいについて話していました。
ドラマ「ナースのお仕事」では、主人公の成長を見守る 看護師長役を熱演したのが多くの人の心に残っています。
このドラマで主演した観月ありささんは、「いつも朗らかで優しい吉行さんに癒され、現場ではいろいろなお話を伺えたことが、今も鮮明に思い出されます」「吉行さんのように人を癒し、温かい気持ちにさせられる俳優を目指して、これからも努力していきたいと思います」と当時を振り返りながら吉行さんの死を悼みました。
吉行さんはエッセイストとしても活躍し、父のエイスケさん、兄の淳之介さん、妹の理恵さんも作家という文筆一家。
また、美容師だった母親のあぐりさんは1997年に放送された朝の連続テレビ小説のモデルにもなりました。
吉行さんは、107歳で亡くなった母あぐりさんとの絆について、2016年のインタビューで「働いてる母の姿っていうのは後ろ姿しか見てないですけど、とっても元気で楽しそうで。私も自分が選んだ仕事を続けていけば、母のように元気でいられるかなって」と明かしていました。
2月には、2026年公開の映画にも参加していた吉行さん。
所属事務所の説明により、亡くなるまでの経緯が明らかになりました。
吉行さんは、8月下旬、体調がすぐれず持病もあったことから念のため都内の病院に入院。
医師からは肺炎と診断され療養していましたが、亡くなる10日ほど前まで病院で執筆活動をしていたといいます。
そして2日未明、近親者に見守られながら穏やかに息を引き取ったということです。
葬儀はすでに近親者のみで執り行われています。
(「イット!」9月9日放送より)