佐賀・白石町で8月下旬、絶滅危惧種コウノトリのヒナ2羽が巣立った。4月にもヒナが誕生していたが、エサ不足で全滅。今年2度目の産卵で3羽が誕生し、子育てに再挑戦していた。

2度目の産卵で3羽誕生し住民が見守り

佐賀・白石町。取材班が約3カ月にわたり密着したのは、白い体に黒い羽、絶滅危惧種「コウノトリ」の繁殖だ。

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ヒナが巣から顔を出した。親鳥の足元にヒナが3羽いるのがわかる。

「幸せを運ぶ鳥」とも呼ばれるコウノトリだが、この日に運んでいたのは、木の枝。子育て環境の整備に奮闘中だ。

実は4月に一度、ヒナが誕生していたが、エサ不足などが原因で全滅。

それでもあきらめず、今年2度目の産卵で3羽のヒナが誕生し、子育て再挑戦だ。

しかし、このヒナを狙う天敵がいる。それは、カラスだ。4年前に初めて生まれたヒナは全てカラスに食べられてしまった。

そこで、「日本野鳥の会」「しろいしコウノトリの会」など地元の有志などが立ち上がった。約10人が、夜明けから日没まで交代で双眼鏡をのぞき続けた。

ーーカラスを見つけたらどうする?

日本野鳥の会・宮原明幸さん
どうしようもないから、巣の下まで走っていって大声を出します。だいたいそれで逃げてくれますので…。

九州でコウノトリが繁殖しているのは白石町だけ

その後、過酷な環境を生き抜いた2羽は、誕生から約2カ月で、親鳥と同じ大きさに成長した。

そして8月下旬、待ち望んだ時が、ついに訪れた。

「おっ!いった!いった!」

巣立ちだ。九州で「コウノトリ」が繁殖しているのは、ここ白石町だけ。

町は、今後、名前を公募する予定だ。
(「イット!」9月8日放送より)

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