オウム真理教による坂本弁護士一家殺害事件で1歳だった長男・龍彦ちゃんの遺体が長野県大町市で発見されてから今年で30年。事件をこれからも伝えていこうと、慰霊碑の管理を日弁連が引き継ぐことになりました。
9月7日、大町市で行われた追悼式。日弁連・日本弁護士連合会や県弁護士会の関係者らが出席しました。
日弁連・渕上玲子会長:
「坂本弁護士は困っている依頼者のために、弁護士として当然の仕事をしていただけでした」
1989年、オウム真理教信者の脱会を支援していた坂本堤弁護士が横浜市の自宅から妻子と共に行方不明に。その後の松本サリン事件などの捜査が進む中、1995年、3人の遺体が富山・新潟・長野で相次いで見つかります。
教団幹部らによる犯行で、わずか1歳だった長男・龍彦ちゃんは大町市の山林に埋められていました。
近くの公園に建てられた慰霊碑には9月7日も折り鶴や花が供えられていました。
坂本弁護士の同僚だった・小島周一 弁護士:
「この一家はずっと愛されているんだなと、実感することができて、私たちもここに来ると、ありがたいと思うと同時に元気をもらう」
碑は同僚の弁護士などでつくる会が管理してきましたが、今年から日弁連が管理することになりました。
坂本弁護士の同僚だった・小島周一 弁護士:
「この悲惨な事件というのは、彼一人の問題ではなくて弁護士全体の問題。ひいては権利が守られなければならない市民にも関わる問題」
日弁連・渕上玲子会長:
「(親子)3つのメモリアルをしっかり日弁連が維持管理していくことが大事」
参加者は、龍彦ちゃんの遺体が発見された現場も訪れました。
以前はジュースだったお供えは時がたち、今はビールに。
教団の裁判に関わった・山内道生弁護士(松本市):
「事件を風化させないという一点で、(毎年の親子3人への)慰霊の旅は非常に重要。長くこの企画は存続していってもらいたい」
追悼の思いを今後も受け継ごうとしています。