台風15号は県内に甚大な被害をもたらしました。34人が重軽傷を負い、建物被害は12の市と町でこれまでに1732棟に上っています。
これは台風15号が襲った9月5日、牧之原市静波の映像です。
撮影した男性:
会社に着いた時に台風でも経験しない位の風がドーンときた感じ
激しい風雨は牧之原市細江にある障がい者の就労支援施設のカメラにも…。
センドラン静岡・村田樹保さん:
目の前で渦を巻いているのが見えた。風だけだと思ったら雨があって水しぶきが下からズーっと津波のように襲ってくるのが見えてまずいと思って
その瞬間を多くの人が経験し、渦を巻いた風が移動していく様子を記録していました。
現地で被害状況を確認し、住民からの聞き取りをした気象庁の調査班は「牧之原市で発生したのは竜巻と認められる」との調査結果を明らかにしました。
4日の午前3時に鹿児島県の沖合で発生した台風15号。
雨と風の状況が急変したのは5日の正午頃から午後の早い時間にかけてです。
伊藤渚紗 記者:
静岡市駿河区です。先ほどから打ち付けるような非常に強い雨が降り始めました。数秒に1回大きな音を立てて雷の音も聞こえます
県内では1時間に約100mmの猛烈な雨が降る「記録的短時間大雨情報」が6回出され、線状降水帯の発生情報が3回発表されました。
新幹線は運転見合わせとなり、約17万人に影響が。
激しい風雨は数時間で過ぎ去りましたが、その後に明らかになったのは甚大な被害です。
北村花絵アナウンサー:
牧之原市細江地区上空です。広い範囲で突風の被害が確認できます。道路にはトレーラーが横倒しになっていて道路の片側一車線を塞いでしまっています
牧之原市や吉田町では住宅や店舗の屋根や壁が飛ばされる、農業用ハウスが倒壊する、車が横転するといった被害が相次いで確認されました。
一夜明けて被害はさらに増加。
建物の被害は掛川市から伊東市まで12の市と町で1732棟に上っています。
突風による被害には特徴があり、牧之原市では約1.7kmの範囲に集中して起きていました。
こちらの住宅では家の窓のほとんどが割れ、2階の屋根は吹き飛んで完全に無くなっていました。
住民:
なってしまったものは仕方ない。天災なので、やれることをやるだけ
豪雨による被害も。
静岡空港の駐車場では多くの車が水に浸かる事態となりました。
福島流星 記者(6日):
こちらの車、膝の高さくらいでしょうか水没した跡が残っています
また住民を悩ませたのが停電です。
牧之原市役所には携帯電話が充電できるスポットが設けられました。
男性:
何も情報が得られないのが問題だった。どういう状況か分からないので
厳しい暑さの中被災を免れた飲食店が料理やお茶を提供して回る助け合いの姿も見られました。
落合健悟 記者(6日):
少しでも疲れを癒してもらおうと、こちらの温泉施設は被災者に対して、無料で開放されています
牧之原市の「さがら子生れ温泉」には6日には500人余りが訪れたということです。
利用者:
うちはもうお湯出ないので、お風呂どうしようと言った時にその情報(無料開放)だったので助かったという感じ
8日も電気の復旧作業は続けられ、午後4時時点で停電はほぼ解消されました。
そして、これから先の本格的な復旧に向けて大きな力となるのがボランティアです。
若山悠介 記者:
竜巻の発生から3日、こちらでは家の屋根のがれきや使えなくなった家具や家電など災害ごみが持ち込まれていて、ボランティアが分別作業にあたっています
牧之原市では8日からボランティアの受け入れが本格化。
災害ごみ置き場では早速多くのボランティアが被災者のサポートにあたりました。
災害ボランティア:
被災者のつらさとか、苦しかった思いを背負いながら、自分たちが少しでもサポートできるようにボランティアに協力しようと思った
被災地の復旧・復興に向けてはまだ先は見えず行政や県民の支援・力が必要です。