せきや発熱を引き起こす「RSウイルス」。

多くの子供が2歳までにかかりますが、特に乳幼児は重症化のリスクが高く、福岡県内では流行を前に予防しようという動きが広がっています。

RSウイルスは鼻水や発熱、せきといった症状が出る感染症で、特に生後6カ月未満の赤ちゃんがかかると、肺炎や細気管支炎を引き起こしやすく危険とされています。

例年は秋から冬にかけて流行しますが、近年は夏場にも感染者が増えていて、8月31日までの1週間で福岡県内の定点医療機関からは195件が報告され、前の週の約1.77倍に増えています。

予防の基本はマスクや手洗いですが乳幼児には難しいのが実情です。

そこで注目されているのが、去年承認された「母子免疫ワクチン」です。

福岡県那珂川市の「マミーズクリニックルナ」では生まれてくる赤ちゃんを守るため、妊婦への接種を積極的に勧めています。

◆マミーズクリニックルナ 吉冨智幸院長
「妊婦さんにワクチンを打つと、免疫が作られてへその緒を通して赤ちゃんに渡す。免疫を持って赤ちゃんが生まれてくるので、(感染しても)重症化しづらかったり、かかることそのものを予防する効果もあると言われている」

母子免疫ワクチンは、妊娠24週から36週の妊婦が対象ですが、このクリニックでは効果が高いとされる妊娠28週から34週での接種を呼びかけています。

◆接種を検討している妊婦
「(1人目が)3歳の時に高熱を(出した)。コロナとRSウイルスの検査をしてRSウイルスでした。(2人目で母子免疫ワクチンを)打つか打たないか検討中です」

◆実際に接種した妊婦
「1年間妊活してもできなくて不妊治療に3カ月通ってできたので、それも相まって(ワクチンを)打とうと思いました」

◆マミーズクリニックルナ 吉冨智幸院長
「赤ちゃんには全く針も刺さらないので、安全性も高いと思うし、打つことそのもののメリットがすごく高い」

接種費用は3万円前後と高額ですが、RSウイルス感染症の重症化リスクを踏まえると、母子免疫ワクチンの接種は1つの選択肢となりそうです。

テレビ西日本
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