2007年に竣工し、下流を水害から守りながら、アジサイの名所としても知られる鹿島市の中木庭ダム。この周辺地域に活気を取り戻そうと、佐賀大学の学生が自ら設計・施工する、空き家を活用したアートの拠点を作るプロジェクトが進んでいます。

【佐賀大学建築愛好会しかラボ 保澤伸光代表】
「元々この鹿島の山でダムに沈んだ集落出身の方が、この地区の自然を守りつつ、若者に挑戦の機会を与えようっていうふうに活動されてた方がいらっしゃったので、その理念に共感して」

佐賀大学建築愛好会「しかラボ」代表、保澤伸光さん。
理工学研究科、建築環境デザインコースに通う、修士2年生です。
保澤さんは、2007年にダムが竣工して以来過疎化が進む鹿島市中木庭地区に、アートを通じて人を呼び込みコンサートやバーベキューができる空間を作ることで、地区の魅力を後世につなげていこうと設計から施工まで、学生自ら行う、空き家の改修計画を進めています。

【佐賀大学建築愛好会しかラボ 保澤伸光代表】
「山の中なので、入った瞬間に空気がガラッと変わるというか、夏でもすごく涼しくて過ごしやすい環境で、なおかつこの周り立派な杉林に囲まれていたり、近くを渓流が流れていたりとか」

完成後の模型を見せてもらうと。

【佐賀大学建築愛好会しかラボ 保澤伸光代表】
「できるだけ空間が柔らかくなるように。曲線を使いたいっていう考え方で、滑らかに外と中を行き来できるような縁側があれば、機能的にも、空間的にも、すごく魅力的な空間になるんじゃないかと」

また、学生の姿に共感し、地元の工務店も協力します。

【夢木香・松尾製材所 松尾壮一郎代表】
「まずは一番はケガがないようなところのサポート面というところと、今後につながるいい経験になればと思って私も全力でサポートさせていただいている。若いエネルギーは色々な可能性を秘めていると思いますね」

このプロジェクトは来年3月で完成を迎え保澤さんも3月で大学院を卒業します。
しかし、しかラボでは、今後を見据え、今回の敷地周辺にツリーハウスを作る構想を考え後輩に設計課題として与えました。
この地域の将来を考えてもらい、鹿島との縁をつなぎ続けてほしいと保澤さんは話します。

【佐賀大学建築愛好会しかラボ 保澤伸光代表】
「この鹿島の中木庭の雄大な自然に囲まれて。自分がやりたいことっていうのをに挑戦したりとか。集まるだけじゃなく、みんなで作って。みんなの場所にしていけたらな。っていうふうに思っています」

サガテレビ
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