労使の溝が埋まらず審議が長引いていた最低賃金についてです。熊本県の最低賃金について話し合う審議会できょう答申額が決定しました。時給は1034円、初の1000円台です。

現在の熊本県の最低賃金は時給952円。国の審議会は引き上げ額の目安を64円としていて初の1000円台となるかが注目されていました。

これまでの専門部会では、労働者側は物価の調査などに基づき178円、使用者側は中小企業の支払い能力などを考慮し39円の引き上げを提案。歩みよりを見せながらも結審には至りませんでした。

【中原理菜アナウンサー】「労使の溝が埋まらず審議が長引く中、7回目の専門部会が始まります」

きょう開かれた専門部会。「審議は尽くされた」として学識経験者などから選ばれる公益代表委員が82円アップの『時給1034円』を提示。非公開で行われた審議会の採決では使用者側の3人が退席。11人中9人の賛成多数で答申額が決定し倉田賀世会長が時給1034円とするよう熊本労働局長に答申しました。答申通り決まれば県内で初の1000円台となります。

スタジオには取材した中原さんです。最低賃金の答申額が県内で初めて1000円を超えましたね。82円アップの時給1034円とするよう答申されました。

【トリキリ】国が示した引き上げ額の目安、64円よりも高くなりました。理由としては消費者物価指数の上昇率が全国平均を上回ったことやエンゲル係数が年々上昇していて家計における食費の割合が増えていることなどが挙げられています。

一方で、委員をつとめる中小企業からは「これほどの急激な上昇は耐えられない企業が出てくるのでは」と悲痛な声も聞かれました。答申が行われ今後はどのような流れになるのでしょうか。

15日間の異議申し立て期間がありますので今月19日までに申し立てがなければ正式決定となります。最低賃金の改定される日は『発効日』と言いますが通常は、毎年10月1日から適用されるものの都道府県によって異なります。今回は先月の大雨の影響があるとして先送りとなり、『来年1月1日付け』で発効されることで一致しました。

テレビ熊本
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