薬の不正製造があってから経営再建に取り組むジェネリック医薬品メーカー、日医工の本業での利益が、前年の5倍近くに増え、2期連続の黒字となりました。

これは4日に報道陣に対し、日医工の岩本紳吾社長が説明したものです。

今年3月期の連結決算は、売り上げ収益が1249億円と前期を上回り、本業のもうけを示すコア営業利益は70億円と前期の5倍近くに増えました。
不正製造が明らかになった後、生産計画を見直したことで、需要に見合った量を作り、廃棄が減ったことが功を奏したということです。

また、他社に委託していた製品の内製化や他社からの代替生産の発注も増えているということです。
一方、生産品目については、採算が採れない医薬品の販売を取りやめ、いまは866品目を扱っています。
ただ、今年3月時点で41品目が出荷停止のままとなっています。
全国的に長期化している薬不足。
日本製薬団体連合会によりますと、限定出荷や供給停止となっているのは、全国で流通する薬の14.8%で、特に後発品の「ジェネリック医薬品」が半数以上を占めています。
日本ジェネリック製薬協会はジェネリック医薬品の不足が解消されるのは4年度の2029年度になるとの見通しを示していて、日医工は出荷できていない製品の再出荷を目指し、薬の安定供給につなげたいとしています。