富山県内の最低賃金は来月、現在の998円から1062円に引き上げられます。

物価高が続く中、経営者と労働者はそれぞれどのように受け止めているのでしょうか。

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富山県内の最低賃金は、来月12日から1062円に引き上げられます。

県内で1000円を超えるのは初めて。

大台突破に、アルバイトで生計を立てる人も多い学生は…。

*飲食店でアルバイト
「食費がすごくかかっていて、野菜や肉が高い。バイト代が高くなるとうれしい」

*飲食店とコンビニでアルバイト
「飲食店とコンビニ2つでアルバイトしている」
「(いまの時給は)1100円とか1000円。(上がるのは)生活にとっては大きい」

*飲食店でアルバイト
「ひと昔前は800円とかだったので、いいなと思う」
「例えば月に1回ハーゲンダッツ買ってみようかなみたいなちょっとした楽しみが増えるかも」

*大学生
「都会では1100円を超えたりしているが富山はそこまでいかないんだと感じた」
「もっと上がったらいい」

県内の最低賃金は、2004年の644円から翌年に648円となって以降、毎年引き上げられてきました。

一方、その引き上げ幅はこの5年で大きくなっていて、今回の64円は過去最大です。

この変化を経営者はどう感じているのでしょうか。

県経営者協会の山下清胤会長は、賃金の大幅な引き上げで中小企業を中心に経営悪化につながる可能性があることを指摘。

価格転嫁により、物の値段が上がることを消費者側も受け入れ、経済の好循環をつくる必要があると話します。

*県経営者協会 山下清胤会長
「経営側から言えば、厳しい側に振れる。(最低賃金の)変化の割合がどんどん高まってきている。企業が将来を見越して経営を考えないといけないが、それが厳しい側に振れていく」
「中には廃業に至るところもあるかもしれない。そういうことがないように、様々なものが上がってきたとすれば、それが社会的に許容される、そうだよねと思えるような社会になるべき」

その上で、今回最低賃金が過去最大の引き上げ幅になったことが、来年の春闘での賃金交渉の材料になるとし、賃上げの動きが加速する可能性があるとしています。

*県経営者協会 山下清胤会長
「労働側の経営側の交渉の時に、データとして最低賃金が過去最高になったと、そうすると自分たちの賃金も見合うような形で上がっていかないと」
「最低賃金が上がった分だけ、物価も上がるかもしれない。それに見合うように賃上げを求める当然そういう交渉になる」

富山テレビ
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