高知県立美術館が2025年3月に贋作と判断した所蔵絵画「少女と白鳥」を特別展示します。

高知県立美術館・塚本麻莉 主任学芸員:
「何らかの形で作品を県民の皆様の前に説明責任も兼ねて公開する必要は、私だけでなくて館として感じていました。その中で今回、展覧会として公開するということで」

公開されるのは、かつて県立美術館がドイツ人画家ハインリヒ・カンペンドンクの油彩画として所蔵していた「少女と白鳥」です。
美術館が1996年に1800万円で購入した絵画に2024年6月、贋作疑惑が浮上。

専門家による科学分析調査を行い、文献資料や贋作を描いたヴォルフガング・ベルトラッキ氏本人の発言など複数の根拠を総合的に判断した結果、2025年3月に贋作と判断しました。

特別展のタイトルは「再考『少女と白鳥』贋作を持つ美術館で贋作について考える」。

購入・所蔵の経緯や実施した科学分析の内容も合わせて紹介し様々な角度から贋作問題と向き合います。

県立美術館・塚本麻莉 主任学芸員:
「贋作だけをただセンセーショナルに見せるのではなく、贋作をきっかけにさらに美術の世界に入っていける、考えていけるフックを展示の中で用意している。実際に贋作と真作が何がどう違うのかということを見て考える場になると思います。」

特別展は1期目が9月13日から。2期目が10月4日からで同じ展示内容で行われます。
また関連イベントとして、初日には作品の科学調査を行った京都大学の田口かおり准教授による講演が行われます。

高知さんさんテレビ
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