県内では、全ての公立の小中学校と高校で夏休みが終わり、授業が始まっています。
この時期に気を付けたいのが、子供たちの心理的な変化です。
厚生労働省によりますと2009年以降、全国の子供の日別の自殺者は、夏休み明けの9月1日前後が最も多いんです。
こうした傾向があること、皆さんご存知でしたか?
また去年、全国の児童生徒の自殺者の数は529人と、過去最多となりました。
子供の自殺を防ぐには、周りの大人は子供たちのどのような変化に気を付ければ良いのでしょうか。児童精神科の医師に聞きました。
(みよしクリニック 三好良英院長)
「時々お父さんお母さんから、うちの子供は『何も言わないから大丈夫です』と言われる。そんなことはない。不安が強く気分が落ち込む中で、普段よりも元気がない、笑顔が少ない、口数が少ない。それはよく(診察で)経験する」
話を伺ったのは、児童精神科医で宮崎市にある、みよしクリニックの三好良英院長です。
夏休み明けは、子供たちの心が揺らぎやすい時期だと指摘します。
(みよしクリニック 三好良英院長)
「夏休み明けのこの時期に、学校に行きたくないと感じるお子様は少なくはない。この気持ちは、多くの子供に見られる自然な心の反応。おなかが痛い、頭が痛い、食欲がわかない、朝起きられない、なんか、体がしんどい時には周りの大人が子供の変化に気づいてあげてほしい」
三好院長は、不安を抱えた状態で無理をし続けると、それが自傷行為や最悪の場合、自殺につながる恐れもあると話します。
些細なことでも子供の心や体に変化が見られた場合、周りの大人にはその子に合った柔軟な対応が求められます。
(みよしクリニック 三好良英院長)
「しんどい期間の長さは子供によって様々。2、3日で戻れる子供もいれば一か月、二カ月かけて段々慣れてくる子もいる。学校に行くか休むかだけでなくて、ちょっと遅れていきましょうとか、午後から行きましょう、きょうは校門まで頑張って行きましょう。そういう選択肢をいくつか準備するのも大事。死んでしまいたいほどしんどい時には、学校は休みましょうとよく言っている。命を懸けてまで、学校に行く必要はない」
三好院長によりますと、周りの大人が子供に「心配している」と伝えてあげるだけでも子供の安心につながるそうです。
みよしクリニックでは、家でも学校でもない第三の居場所・フリースクール「ふりすく」も運営していて、こうした自分のペースで勉強などができる場所をぜひ活用してほしいと話していました。
厚生労働省のホームページ「まもろうよこころ」では、電話やラインなどで相談窓口を紹介しています。
どうか一人で抱え込まないでください。