福島県福島市の先達山のメガソーラー計画に、地元住民が安全面と環境への懸念を表明。市民団体「先達山を注視する会」が福島県に対し、工事完了確認の留保を求める要望書を提出した。
市民団体が福島県に要望
「周辺住民の安全が確認されるまで、本件工事の完了確認を留保されるよう求めます」
福島県に要望書を提出したのは、先達山太陽光発電所の計画に疑問を投げかける市民団体「先達山を注視する会」だ。

専門家による調査をもとにした地すべりの懸念や、太陽光パネルからの反射による光害、景観の悪化を指摘し、事業者が対策をとるまで工事の完了確認をしないことなどを県に求めた。
福島市・先達山のメガソーラー
福島市の吾妻山の麓にある先達山で、2021年から建設が始まったメガソーラー。約60ヘクタールの敷地に9万6000枚ほどの太陽光パネルを敷き詰め、年間1万6000世帯分の電気を生み出す計画で、2025年9月末からの売電が予定されている。

周辺住民の思い
2025年1月に「先達山を注視する会」を立ち上げた松谷基和さんは、先達山がすぐ近くに見える場所に住んでいる。
これまで3回にわたり、発電所の管理運営を行うAmp(アンプ)社の担当者を市内に呼び、対応を迫ってきた。
しかし7月を最後に、直接のやりとりは途絶え、安全や景観への対策も確認できていない。

松谷さんは「事業者が検証しないのなら、行政が検証しない限り、安全な工事・安全な現場と言えないので、何とか行政に行動をとってほしい」と語る。
危機感を改めて訴える
商業運転開始まで1カ月を切った、先達山太陽光発電所。
「先達山を注視する会」は9月2日に初めて記者会見を開き、松谷基和さんが「一体これは誰のため、何のため。これが引き起こす将来。福島の住民にとって、これは何なのだということを懸念して注視しています」と改めて危機感を訴えた。

メガソーラーは地域と共存できるのか。事業者だけでなく行政の対応も問われ始めている。
(福島テレビ)