近い将来発生する南海トラフ地震で、愛媛県は西条、宇和島など7つの市で最大震度7を観測する独自の被害想定の一部を2日に明らかにしました。西条市で30センチ以上の浸水が起きるのは、地震の発生から1分未満としています。

南海トラフ地震を巡っては、愛媛県は2013年に公表した独自の被害想定の見直しを進めていて、このうち中間報告として、地震の揺れや津波の高さなどが公表されました。

見直した独自想定では、マグニチュード9クラスの巨大地震が発生した場合、愛媛県内はほぼ全域で震度6弱以上の揺れになり、今治、西条、新居浜、四国中央、大洲、西予、宇和島の7つの市で最大震度7になる見込みです。

前回の調査では13の市と町で震度7を想定していたものの、ボーリング調査を増やして精度を高めた結果、全体的に震度は小さくなったとしています。

津波の想定では県内で愛南町に最も早く到達。30センチ以上の浸水が地震の発生から最短14分で始まり、御荘港には最大8メートルの津波が48分後に到達すると想定しています。このほか宇和島港では6.1メートル、八幡浜港で8.7メートルの津波が72分後に到達。30センチ以上の浸水は宇和島市で54分後、八幡浜市では58分後に始まるとしています。また最も高い津波は伊方町の佐田岬半島の宇和海側に19.4メートルが到達すると想定。このエリアには人は住んでいないということです。このほかの各地の想定は次の通りです。

【各地の想定】
西予市は三瓶港で最大8.8メートルの津波が80分後に到達。30センチ以上の浸水は51分後。

伊方町は伊方港で最大8.5メートルの津波が71分後に到達。30センチ以上の浸水は56分後。

松山市は松山港で最大3.2メートルの津波が146分後に到達。30センチ以上の浸水は113分後。

西条市は東予港で最大3.4メートルの津波が460分後に到達。30センチ以上の浸水は、地震の揺れで堤防が全壊した場合、海抜ゼロメートルのエリアで1分未満に始まると想定しています。

中村知事:
「ここを基準にしておけば命を救える可能性が高まります。各市町が活用して地域ごとにきめ細かくどうすればいいかを考える材料にお使いいただきたい」

愛媛県は、この想定に基づく人的被害や建物被害などをとりまとめ、今年度中に結果を公表する予定です。

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テレビ愛媛
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