愛知県豊橋市で8月31日に起きた倉庫火災は、油を含んだ廃棄物が高温で発火した可能性もあり、警察が詳しく調べています。自然発火による火事は家庭でも起こり得るとされ、注意が必要です。

■豊橋市の火事が「自然発火」の可能性も
勢いよく上がる黒煙と真っ赤な炎。8月31日に豊橋市で発生した火災が、“意外な原因”によるものだった可能性があります。
(リポート)
「きのう火災があった廃棄物置き場です。奥の方に見える倉庫は、屋根が完全に焼け落ち骨組みも見えてしまっていて、火の勢いの強さがうかがえます」
8月31日午後1時ごろ、豊橋市東七根町で「廃棄物置き場から炎とかなりの黒煙があがっている」と119番通報がありました。消防車など10台が出て、およそ3時間後に消し止められましたが、鉄くずなどが置かれていたとみられる木造と鉄骨の倉庫あわせて2棟が全焼しました。

ケガ人はいませんでしたが、激しい炎と煙で周辺は騒然となりました。
近所の住民ら:
「煙は見ました。かなり大きかったと思います。飛び火したみたいで、かなり燃えていました」
「上から黒いものが降ってきました。怖かったです」
この火事の原因の可能性があるのが、「自然発火」です。
名古屋で7年ぶりに気温40度を観測した8月31日、豊橋市でも今年一番の暑さとなる最高気温36.6度。警察によりますと、廃棄物の中に残っていた油などが高温になり、自然発火した可能性もあるということです。

近所の住民:
「昨日はすごく暑かったので、そういうこともありうるかなと思うんですけど。ボンッという音を聞いた近所の人もいるので、何が爆発したかは分からないですけど」
■アロマオイルのタオル等…油が染み込むと出火の危険性高まる
自然発火による火事には、家庭でも注意が必要です。
製品評価技術基盤機構=NITEの実験動画。ドラム式洗濯乾燥機で乾燥を終えたタオルが、ひとりでに燃え上がりました。

NITEによりますと、油がしみ込んだ布や紙は、空気中の酸素と反応して発熱しやすく、とくに熱が逃げにくい高温の環境では出火の危険が高まるといいます。
アロマオイルなどがしみ込んだタオルのほか、床用のワックスや塗料がついた布や紙にも注意を呼びかけています。
豊橋市の火災の詳しい出火原因はまだわかっていませんが、警察と消防は9月1日朝から実況見分をするなどして調べています。