8月31日、名古屋市では最高気温40.0℃を観測。国内での40℃超えは2日連続です。
全国の猛暑日が200地点を超えたこの週末。

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30日、東京都心では8月下旬以降としては過去最高となる38.5℃を記録。
終わりが見えない暑さの中…観光地では“異様な光景”が広がっていました。

「六角堂」地面がむき出しに

富士山の麓にある「河口湖」。

普段なら湖に「六角堂」が浮かぶ神秘的な光景が見られるはずなのですが…水不足により、地面がむき出しに。
明らかに水位が低くなっていることが分かります。
河口湖の8月平年の降水量176.8ミリに対し、2025年はわずか55ミリと大きく下回っているため、極度の水不足に陥っていたのです。
8月31日午後11時時点で基準水位より3.60m低い状態になっていました。

普段はボートでしか行けない六角堂に歩いていける…観光客にとっては意外な体験を楽しめる状況ですが、ボートの貸し出しをしている大町さんは…。

KBH 河口湖ボートハウス有限会社 大町悦章代表:
ここもそろそろ(地面に)つきそうなんですよね。あと20cmくらい。
遊覧船の引き波とか結構波で上下するんで、そのたびに(地面に)ガンガン当たって船に穴が空いちゃうんですよね。
船に穴が空いちゃうと(修理代が)車1台分くらいするので…。

水位の低下は、ボートの故障につながりかねないため、貸し出しするボートを8台から5台に減らしているといいます。

さらに、河口湖から水をひいているという田んぼでも…2025年は水不足の影響で水路に水がたまらず、追加でくみ上げ用の延長ホースを設置。約100万円の工事費がかかったといいます。
このまま水不足の状態が続くと、農作物に影響が出るかもしれないといいます。

“滝の名所”で滝流れず…

水不足の影響は他の観光地でも…。

8月30日、「サン!シャイン」が取材したのは、三重・名張市にある「赤目四十八滝」。
約4kmにわたる渓谷には、緑豊かな森林と23もの滝が四季折々の美しさを見せる滝を目当てに、1年を通じ多くの人が訪れる、「日本の滝100選」にも選ばれている“滝の名所”です。

NPO法人赤目四十八滝渓谷保勝会 長野和也さん:
今年は梅雨が明けるのも早くて、その後も雨が降らない状況が続いていまして、かなり渇水、滝の水が減ってしまっている状況になっております。

不動滝
不動滝

通常時と比べてみると、流れ落ちる水幅がかなり細くなっていることが分かります。
さらに奥へ進んでみると、千手観音のごとく流れるはずの“千手滝”も…。

千手滝
千手滝

長野和也さん:
元々は“千手”ってあるように、手が広がっているように見える滝のことなので、今見ると、手が広がるというよりは岩肌を水が伝って落ちてるなぐらいにしか見えないような状況になっています。

細々と流れるのみで、岩肌がはっきりと見えてしまうほどに水量が減っています。

名張市では、取材した8月30日まで13日連続で雨が降っておらず、2025年の夏の雨量は2024年の約半分程度と、深刻な“水不足”に。
この水不足の滝に、2024年の7月にも来たことがあるという見物客は…。

大阪からの観光客:
雨もうちょっと降った方がいいかなって心配になります。全然違う~本当に全然違うねこれ。

水不足の影響は見栄えだけにとどまりません。

1000年以上前から修行の地として知られる場所では、観光客にも体験してもらおうと、毎年滝行ツアーが行われているのですが…。

滝行ツアーが行われている滝
滝行ツアーが行われている滝

取材スタッフ:
普段なら滝行ツアーが行われているという滝なんですが、全くといっていいほど水が流れてないですね。下の方を見てみますと、かろうじて岩肌を少量の水が滴り落ちている、滝ではなく大きな岩壁といった感じになっています。

水は滴る程度にしか流れていない
水は滴る程度にしか流れていない

NPO法人赤目四十八滝渓谷保勝会 長野和也さん:
十分な滝行をできる水量を確保できないということで8月の滝打たれは中止にさせていただいておりまして…。

例年8月は水の量が少なくなるものの、去年は参加者の意向を確認しながら、開催できる日も多かったという滝行ツアー。
しかし、体験客の満足度などを考え、2025年は全面中止に踏み切りました。
9月から再開の予定でしたが、今後の天候次第では変更もありうるとしています。

NPO法人赤目四十八滝渓谷保勝会 長野和也さん:
やっぱりもっと水のある状態の滝を知っているので…寂しいなっていう感じはしますね。(観光客にも)もっと水が多い状態の滝を見てほしいなって気もありますね。

(「サン!シャイン」9月1日放送より)