旧統一教会の韓鶴子総裁は8月31日、韓国の金建希前大統領夫人のあっせん収賄罪などに絡む自身の疑惑について、「いかなる不法な計らいも指示したことはない」とメッセージを出しました。
韓国の特別検察官は、先月起訴された金建希被告のあっせん収賄事件などに関連し、韓鶴子総裁が知人を通じ金被告に金品を渡し、見返りとして教団の海外事業に対する政府支援を求めたとする疑惑について捜査を進めています。
これについて韓総裁は31日、信者に向けてメッセージを出し「私の指示で教会が不法政治資金を提供したという虚偽事実が流布されている」「いかなる不法な政治的請託および金銭取引も指示したことはない」として、金被告に特別な計らいを求めたとの疑惑を否定しました。
金被告に対する請託を実行したとみられる旧統一教会の元幹部が先月起訴され、「韓総裁の決裁を受けて行った」という趣旨の話をしているとも報じられていて、近く韓総裁の取り調べが行われる可能性が指摘されています。
韓国では2016年9月に公務員などに金品の授受などを禁止する「不正の請託及び金品等の授受の禁止に関する法律」、通称「金英蘭(キム・ヨンラン)法」が施行され、対象者に報道関係者や学校関係者等も含まれる上、職務と無関係の金品授受も処罰され、処罰範囲が極めて広いのが特徴です。