原発の立地地域の振興に関する特措法について、政府はその対象範囲をこれまでの原発の半径10km圏内から半径30kmに広げることを決めました。これは県などが要望を続けていたもので、この実現により避難道路の整備の加速が期待される一方、政府としては地元の要望に応えることで柏崎刈羽原発の再稼働への理解を得たい考えです。
8月29日朝の関係閣僚会合で決定したのは…
【石破首相】
「地元の要望も踏まえながら原発立地地域の生活環境や産業基盤の整備を進めるための特別措置法について、対象地域を拡大するなど地域振興の取り組みを着実に強化してください」
原発立地地域の振興に関する特措法の対象範囲の拡大です。
これまで道路や港湾の整備などの支援を受けられる特措法の対象範囲は原発の半径10km圏内でした。
しかし、2011年の福島第一原発事故以降、政府は避難計画の策定などを原発半径30km圏内に位置する自治体にも義務化したため、対象となった自治体には新たな負担が生じていました。このため…
【小千谷市 宮崎悦男 市長】
「UPZ内には電源三法の交付金を含め、様々な不均衡な現状にある」
対応を求められることになった自治体が特措法の対象範囲の見直しなどを求め声を上げていました。
【花角知事】
「きょうは原発の立地地域に関する特別措置法の要望に参りました」
花角知事も今年5月、国に対象の拡大を直接要望。
【花角知事】
「対象地域を広げていただくことで、避難道路、難道路に接続するような道路も含めて安全な、円滑な避難につながる道路整備が進むという効果が期待できると思う」
一部報道で28日、政府が対象範囲を拡大する見通しであることが伝えられると…
【花角知事】
「避難の安全を確保してくれ、安全を上げてくということは(公聴会などで)多くの人がおっしゃったと思っているので、それに資するもの。そういう意味で非常に期待している」
対象範囲拡大の決定に30km圏内に位置する小千谷市の宮崎悦男市長は「県民の安心・安全につながる第一歩」となったと話します。
【小千谷市 宮崎悦男 市長】
「避難計画もつくらなければならない。安全対策もしなければならない、そういう中で(これまでは)全く交付金や特措法の対象になっていない、リスクのみが存在しているということで、メリットというよりも、ようやくこれで安全対策が図られていく」
また、関係閣僚会議では…
【石破首相】
「事故を起こした東京電力への不安の声に国としても応えるべく、柏崎刈羽原子力発電所の運営に対し、内閣官房副長官をヘッドとする監視強化チームを新たに設置することと致します」
柏崎刈羽原発を運営する東京電力を監視するチームの設置も表明。
東京電力の小早川智明社長は「政府に監視の強化をいただくのは身が引き締まる思い」と話した上で、東電としてもメリットを求める地元の声に応えていく考えを示しました。
【東京電力 小早川智明 社長】
「地域経済の活性化などに向けた資金的な貢献やGX・DX投資などの促進に努めていく。これらを通じ、新潟県内の安心安全の向上と地域経済の活性化に協力していきたい」
新潟県が出す多くの要望に応え続けている政府。そして、東京電力。その狙いはもちろん柏崎刈羽原発の再稼働です。
【石破首相】
「柏崎刈羽原発の再稼働への理解が進むよう全力で対応を進めてください」
再稼働への県民の意思を確認するために花角知事が進めている公聴会などのプロセスは大詰めを迎えていますが、果たして国のこうした動きは花角知事の判断にどう影響するのか。
政府の再稼働圧力は確実に高まっています。