京都府警 未来のサイバー捜査員を発掘
サイバー犯罪の捜査に長けた人材を確保しようと、京都府警はリアルな捜査体験ができるイベントを開催しました。
果たして「未来の警察官」は、犯人を見つけ出せたのでしょうか。
【警察官】「すみませーん、京都府警察です。事件の関係で”令状捜索”に来ました」
【住人】「何の捜索ですか?強制ですか!?」
カメラの前で繰り広げられるのは、緊迫した家宅捜索の瞬間!
ではなく…京都府警が開いた「捜査体験会」です。
■サイバー事件の検挙は年々増加
今月26日に開かれたこの体験会は、サイバー事件の検挙数が年々増加する中、「未来の警察官」の発掘を目的として開かれました。
参加したのは、サイバーセキュリティを学ぶ学生たちです。
【京都府警 サイバー企画課・井上武士警視】「サイバー犯罪は年々悪質巧妙化していますので、元々知識もった学生を採用することで、即サイバー犯罪に対処・対応できる」
普段からサイバーセキュリティを学んでいる学生でも、捜査官になるのはやはり難しいようで…
【学生捜査官】「京都地方裁判所から、えっと…捜索差し押さえ許可状がでていますので…。えっと」
家宅捜索の令状を読み上げる学生捜査官ですが…
【学生捜査官】「不正“指定”電磁的記録作成および強要事件に…そのような容疑にかかっているので…」
本当は「指定」ではなく「指令」。
慣れない用語をなんとかクリアし、家の中に入ることができました。
■「画像をダウンロードするとウイルス感染」という設定
今回の事件の設定はこのようになっています。
インターネット上で、拡散された画像をダウンロードすることでウイルスに感染させて個人情報を盗むという手口。
捜査により、京都に住む4人家族の「悪野家」が画像の発信元だとわかり、捜索を行うことになったというものです。
果たして未来の捜査員は、犯人を突き止められるのでしょうかー。
■「悪野一家」演じる現役警察官とのやり取りに学生苦戦
【父親役】「結局、何さがしてんの!?あんたら」
【学生捜査官】「USBとルーター」
【父親役】「USB探して何なんの!?そんなどこでもあるんちゃう」
【次男役】「(令状)でてるんやったらしゃあないけど、あらへんで?」
ちなみに、悪野一家を演じるのは、現役バリバリの警察官。
実際の捜査現場でのやりとりをよく知るだけに、一筋縄ではいきません。
テーブルの下に隠された怪しいUSBを発見しますが…
【父親役】「こんなん知らんよ、知ってる?あんたらが入れたんちゃうん?お前ちゃうん!?やったやろ。お前もぐってたときにやったやろ!」
「証拠を捏造した」と詰め寄られて、学生捜査官は唖然とした表情に…。
それでも、隠されたUSB3つと、タブレットを押収しました。
■ついに犯人発見!「未来の捜査員」生まれるか
中身を確認すると、ウイルスが仕込まれたファイルを発見しました!
すると…
【次男役】「お父さん、USB知らへん言ってたけど(USBは)おれのやつやわ。3つともそうやねん」
容疑者は知らないフリをしていた次男でした!
緊迫した捜査現場を体験した学生たちは…
【警察志望の大学1年生】「結構難しかったです。犯人は罪を逃れようとするということが分かりました」
【「ホワイトハッカー」を学ぶ専門学生】「家宅捜索をやる側のプレッシャーがすごくあって緊張しました。(サイバー捜査官の)条件厳しいけどやりたいなっていう感覚はありました」
こうした取り組みから、「未来の捜査員」が生まれるかもしれません。
(関西テレビ「newsランナー」2025年8月28日放送)